税関の事後調査をご存知ですか?

事業を営んでいらっしゃる方々の中には、日本国内だけでなく、海外と取引をされている方々も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、税関の調査について確認していきます。

■税関の事後調査とは?

税関の事後調査では、輸出・輸入に関する調査が行われますが、今回は輸入に関する制度の説明をしていきます。

税関の事後調査(輸入者に対する制度)は、輸入貨物の通関後に税関職員が行う制度のことです。調査官は輸入された貨物に係る納税申告が適正に行われているかを確認し、不適正な申告があった場合は是正します。同時に、適切な申告指導を行うことで、適正な課税を確保することを目的としています。

■調査期間・調査内容

調査期間は通常、事後調査日開始から遡った5年間です。輸入取引の内容や決済関係、インボイスや輸入関係の帳簿、輸入申告書類等の他に、電子媒体記録の保存状況、企業の輸入管理や通関処理体制などが確認されます。

■調査方法

海外から品物を輸入する時は、品物が一度税関に保管され、乙仲業者(海運貨物取扱業者)を通して税関に申告を行い、輸入消費税を納めることで許可が下り、品物が国内に届きます。つまり、法人税等の税務調査と異なり、税関の調査官は予め輸入取引内容・輸入品目・輸入件数等の明細を把握しています。調査時はその情報を元に調査が進められますので、事業者の方は日々の輸入資料の保管・管理がとても重要となります。

■調査で指摘を受けないために

発注書や請求書、海外送金書類、インボイス、輸入申告書類、通関書類等、輸入に関する書類はとても多く、書類の管理作業が煩雑になりがちです。しかし、日頃から適正な輸入申告を行うためには、輸入資料を管理し、把握しておく必要があります。税関調査は定期的にあるものではないので、いざ調査となったときに慌てないためにも、書類の種類ごとにファイルに綴る、エクセル等で発注~納品まで一元管理をする等、ご自身に合った形で工夫しながら、日頃から管理していくことが大切です。

《参考文献》

・税関HP「帳簿書類の保存義務と電子帳簿等保存制度」
・日本貿易振興機構(JETRO)貿易・投資相談Q&A

 



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