遺されたペットが心配!
海外通信 NO.85
遺されたペットが心配!
動物が大好きな方は、いつまでもペットと一緒に暮らしたいと願います。飼い主の体力の衰えや病気など、ペットのお世話ができない状態になった時、どうしたらよいでしょうか?
昨年、米テネシー州に住む8歳のボーダー・コリー犬は、飼い主のビル・ドリスさんが亡くなった際に、500万ドル(約5億2000万円)の遺産を相続した。と報じられました。
アメリカでは多くの州で、飼い主の死後、ペットへ一定の財産を相続させる制度が認められています。ペットには人間の子供と同じだけの権利が与えられていること、遺産は裁判所から選任された管理人が相続手続をするなど、アメリカならではの制度です。
動物福祉先進国ドイツでは、何らかの理由で飼えないペットは『ティアハイム』と呼ばれる国内に500カ所以上ある民間の動物保護施設で保護され、生活することができます。
日本やペット大国のイギリスでは、法律上ペットは「物」と定義され、ペットへ遺産を相続することはできません。したがって、遺言で「愛犬〇〇へ全財産を相続させる」と明記していたとしても、法律上は無効になります。ペットの飼育と飼育費を遺す方法として「負担付遺贈」「負担付死因贈与契約」の他に、「信託法」が2006年に全面改正され、「ペットのための信託契約」を結ぶことができるようになりました。
♡ 負担付遺贈
遺言書により飼い主が亡くなった後に、そのかわりとして、ペットの飼育を条件として財産の一部または全部を相続人に相続させたり、家族以外の第三者に贈与したりする遺言書です。遺言が内容通りに執行されるために遺言執行者を指定することも多くあります。
♡ 負担付死因贈与契約
贈与する人(飼い主)が亡くなった後に効力が生じ、ペットの飼育を条件に事前に決めていた新しい飼い主に財産を遺す合意契約です。
注意点:どちらの制度も飼い主が亡くなった後に効力が発生するため、生前のリスクには対応できません。
♡ ペットのための信託契約
(イギリスにも同様の制度があります)
飼い主が何らかの事情でペットと暮らせなくなった時に備え、飼い主が元気なうちに新しい飼い主にペットの飼育と飼育費を託す信託法に基づいた契約です。また、新しい飼い主がペットの飼育や飼育費の管理が適切に行われているかをチェックして報告する「信託監督人(行政書士、司法書士など)」を選任することができます。
飼い主とペットが一緒に過ごせる老人施設や高齢のペット専用介護施設なども増え、ペットを家族の一員とする社会環境が整いつつあり、サービスは充実してくると思います。大切なペットが困らないように調べておくとよいですね。
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