ファンドラップ

ファンドラップ

クローバー通信 No.205

最近ファンドラップに関するお問い合わせが増えています。大手金融機関では、最低投資額は300万~500万円程度からと、以前より利用しやすくなっており、退職金を預ける団塊の世代を中心に、残高が増えています。

1 ファンドラップとは?

顧客の資産を預かり、売買注文・資産管理を含めた資産運用を金融機関に任せる「投資一任運用サービス」

【手続きの流れ】

投資運用コース
ファンドラップ

⒈ 診断・コンサルティング
 資金の使い道、どれくらいお金を貯めたいか、いつ使うのかなどライフプランに基づき、投資方針を決めていく
⒉ 投資方針(運用コース)の決定
 提示された数種類のプランの中から、リスク許容度、運用期間に合わせて、決定する
⒊ 投資一任契約の締結
 資金の払い込み
⒋ 運用開始・運用管理

⒌ 運用報告

【特徴】

・ 商品の提案・売買・口座管理など運用全般を、専門家に任せる
投資家のリスク許容度に合わせて、国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)など複数の投資信託を組み合わせて分散投資する
・ 手数料は、株式では売買取引ごとに支払うのに対し、ラップ口座は預かり資産残高に応じて支払う
・ 運用中、環境の変化に合わせながら、リバランス(当初資産配分の調整)や、リアロケーション(資産配分の見直し)を行う

♥ メリット

積み立て

・ 資産運用を任せられる
・ 分散投資が可能
・ 自動的にリバランスしてくれる
・ 定額受取サービスが受けられる

♠ デメリット

・ 手数料が高い
・ 信託報酬の高い金融商品を選ばれる可能性がある
・ 運用成績が必ずしも良いとは限らない

2 手数料の仕組み

投資助言・運用管理手数料 + 各投資信託商品の信託報酬

二重に手数料がかかっている

固定報酬型:運用資産残高に対して毎年一定率の手数料がかかる
成功報酬型:基本報酬は固定報酬型よりも低いが、運用資産残高が前年より増加した場合は、増加分に対して追加手数料が発生する

・ 投資顧問報酬は、定期的に資産残高から差し引かれ、信託報酬は日々のファンドの残高から控除される

・ 市況が悪化して損失が発生しても支払う必要がある
  年間の手数料率は運用資産残高の2〜3%が一般的。これを上回る利回りがなければ、預かり資産は目減りする

3 その他のサービス

◆ 長期契約による割引サービス

2年以上継続すると、投資顧問報酬が割引になる

◆ 定期受取サービス

定期的に払出しができる。金融機関により、隔月、3カ月毎など固定または選択

◆プロフィットロック/ロスカット

自分の決めた水準に達した時に、プロフィット(収益)またはロス(損失)を確定することができる

◆ 相続対策

• 暦年贈与  • 相続時受取人指定 など

取扱金融機関、預入額の条件などにより、相続対策のサービスが利用できる場合も

◆ ファンドラップはどんな人に向くか?

・ とにかく自分で考えたくない
・ 手数料はかかっても、すべてお任せしたい
・ 退職金等まとまった資金を運用しながら引き出したい

◆ ファンドラップをどう活用するか?

・ 複数のファンドラップを持つことができる
・ 実行日をずらし、毎月受け取れるよう設定する
・ 資産形成用と、受け取り用と、分けて設定するなど、資金使途に合わせて活用する

4 ロボアドバイザー

投資先の選定を[AI]に任せるロボアドバイザーの登場により、オンライン取引では、1万円からできる金融機関も登場しています。

ファンドラップの仕組みは同じですが、手数料が低く、積立投資ができるので、幅広い世代で利用が増えています。

ファンドラップ

◆ 投資信託との違いは?

投資信託は、自分で銘柄を選び、自分で口座を管理する必要があります。

ただし、以下のように実行すれば同様の効果を得ることもできます。

① 自分のリスク許容度に合わせたバランス型のインデックスファンドを持つ
② 1年に1度、相場が大きく動いたときにリバランスを実行する

まとめ

リスクを取りたくない場合、安定型を選びがちですが、その中身は日本債券が中心で、想定利回りは低くても、手数料はかかります。守りたいお金はいつでも使える「定期預金」に置き、増やしたいお金を「ファンドラップ」でバランス型以上のリスク資産に投資をするのも1つの方法です。

自分で使うのか、資産形成したいのか、次の世代に残したいのか。目的によって運用プランは変わってきます。

一番重要なことは、「どんな目的でその資金を運用するのか?」という事です。その上で、ファンドラップやほかの方法を上手に選択していきましょう。

 

 

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