資金繰り悪化を乗り越えるためには

 新型コロナウイルスの影響で経済が急速に冷え込んできています。

資金繰り

 先行きは全く不透明ですが、消費税増税の影響も相まって景気の長期的な停滞が懸念されています。大手企業に比べて財務基盤が脆弱な中小企業にとっては「資金繰り」が何より重要です。

❖非常時における資金繰り

 売上が急激に落ち込む中において、資金繰りは経営の最重要課題ともいえます。たとえ見かけ上利益が出ていたとしても、資金繰りが行き詰まれば即倒産に繋がりかねません。当然のことですが資金ショートを回避するためには、①キャッシュインを増やし、②キャッシュアウトを減らすことです。

❖キャッシュインを増やすには

 売上以外の資金を確保する方法としてはまず、金融機関からの借入があります。政府は「セーフティネット保証」「新型コロナウイルス感染症特別貸付」など資金繰り支援として45兆円規模(4月7日時点)の支援措置を打ち出しています。非常時ゆえに審査が比較的スピーディーで通りやすくなる傾向があります。借金を増やすことに躊躇する向きもあると思いますが、支援策には当然上限があるため、目先の危機的状況を乗り切るためには経営者の素早い決断が必要です。

❖キャッシュアウトを減らすには

 資金の確保と同時に流出を出来る限り抑えることが大事です。資金の流出には①材料費・外注費などの変動費、②人件費・一般管理費などの固定費、③金融機関からの借入金の返済等があります。

①は外部事業者との価格交渉を必要とするのに対し、②は社内のコストであるため①に比べコントロールしやすい側面があります。経費の支払いを一つ一つ徹底的に見直し無駄がないか精査します。

また人件費比率の高い企業には雇用調整助成金の活用も一つの方法です。

それでも厳しい場合には③の返済のリスケジュールについて金融機関と交渉することも必要かもしれません。ただし、リスケについては銀行の信用格付けが下がるなどデメリットもあるため慎重に検討してください。

 事業を継続していくためには自社の財務状態の現状を迅速に把握し、キャッシュインとキャッシュアウトの合わせ技によりあらゆる方策を先手先手で講じていくことが大事です。

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