親子で確認しよう借金のこと投資のこと

クローバー通信 No.158

親子で確認しよう借金のこと投資のこと

成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が、6月に成立し、2022年4月に施行されます。

4年後の施行に向けて、成人が知っておくべきことの中から、借金・投資についての考え方をみていきましょう。

1 お金の使い方ニーズとウォンツ

NPO法人マネースプラウト「おこづかいゲームニーズ&ウォンツ」より

ニーズ・ウォンツ

ニーズ : 必要なもの
ウォンツ : あったら嬉しいもの

お金の使い方を2つに分けて考えましょう。

ニーズは必要な出費なので、削ることはできません。ウォンツは削っても生活に支障はないですが、生活に潤いやゆとりを与えます。ニーズに影響のない範囲であれば、楽しんでよいのです。

ニーズとウォンツは各家庭、各個人の考え方により異なります。自分にとってのニーズとウォンツを見つけ出し、家計もそれに集中させることで、無駄を省くことができます。

2 良い借金/悪い借金

借金というと、とんでもないことのように感じる方もいるかもしれませんが、大きなものを購入するための手段の一つです。借金には様々な形態があります。

•住宅ローン
•クレジットカード
•車やバイクのローン
•携帯電話分割払い
•資格取得ローン
•カードローンリボルビング払い

など

住宅購入を検討する場合、現金一括払いで購入できる人はごくわずかで住宅ローンの利用が一般的です。購入した物件が担保となるため、借入金利も低く設定されています。計画的に返済できる物件への投資は、良い借金と言えるでしょう。

反対に、いくら借り入れが可能だとしても、頭金もなく、ボーナスをあてに身の丈以上のローンを組み家計が回らなくなってしまうのは、悪い借金と言えます。

クレジットカード携帯電話の分割払いも、借金の一つです。返済が滞ると信用情報機関に登録され、他の借り入れができなくなる可能性があります。収入が安定している会社員は借り入れしやすく、職業によって審査が厳しくなることもあります。難しい条件でも簡単に借り入れできる場合は、金利が高いか、信用力の低い業者の可能性がありますので注意しましょう。

❖借入金利を意識しよう

借入金利は一般的に年利で表示され、借入残高に対して、借入期間分の利息がかかります。また借入目的・担保の有無によって金利条件は変わってきます。残高が減らなければ金利ばかり支払うことになります。特にリボ払いは金利が高いだけでなく返済が進まない場合もあり、注意が必要です。

金利一覧

奨学金にもリスクがある

2016年度日本学生支援機構では学生の「2.7人に1人」が奨学金を利用しています。一般的になった奨学金制度ですが、多くは貸与(借金)であり、返済しなければなりません。

就職し返済が始まると、生活に余裕がなかったり、夫婦2人とも奨学金の返済をしなければならないケースもあります。実際に奨学金を利用した30%以上の人が結婚や住宅取得に影響があったとしています。本当に必要なのか親子でよく話し合い、安易に利用したり、金額を上乗せすることには注意が必要です。

ニーズの場合は、返済計画に基づく、計画的な借り入れを。
ウォンツの場合は、貯めてから購入することを原則としてはいかがでしょうか?

3 良い投資/悪い投資

投資もニーズとウォンツで考えてみましょう。
コツコツと教育費や住宅の積み立てをするのは元本割れもなく堅実な投資方法ですが、今の低金利下ではなかなか貯まりません。リスク資産への投資でも、確定拠出年金やつみたてNISAなら非課税制度のメリットもあり、長期で運用すれば資産形成となります。

反対に、タイミングを見て投資する投機はギャンブル的要素が強くなります。ただ、興味があるなら、金額に上限を設ける・時間分散するなどリスク管理をすれば、勉強にも経験にもなります。余裕資金の中で予算を決めて行いましょう。

投資

 

18歳成人で変わること

ポイントは「18歳から契約の当事者になる」こと。保護者の承諾なしに以下のことができるようになります。

•借金が可能になる

車や携帯電話購入などの単独契約や保護者の同意のないローン契約など

•クレジットカードの申し込みができる

今までは20歳未満の人が契約をしても「親権者」が承諾しなければ無効にできましたが、改正後は契約が成立してしまいます。現在20代の被害が多い資格商法やデート商法など、悪徳商法の被害の拡大が懸念されています。

他にも、10年有効のパスポートの取得、性別変更の申し立てなどができるようになります。また、NISA(少額投資非課税制度)の適用も検討されています。

まとめ

子どもにとって、欲しいものだけを買うのでは、やりくりは身につきません。おこづかいの中に必要経費を含めて自分で管理させてみましょう。また、旅行や大きな買い物など家族で楽しむ事は、費用も含め一緒に計画を立てると、物やサービスを見る目も養われるでしょう。

併せて、4年後の18歳成人の施行に向けて、成人が知っておくべきことを、子どもと一緒に確認してみましょう。

ファイナンシャル・プランナーの相談室では、NPO法人マネースプラウトの「おこづかいゲーム」を金銭教育に取り入れています。

子どもと家庭にとってのニーズとウォンツについて考える良い機会です。夏休みに、お金のこと・経済のこと・将来のことなど、色々と話してみてはいかがでしょうか。

 

 

~ファイナンシャル・プランナーの相談室 Live in Clover~クローバー通信

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