平成29年4月に生命保険料の改定がありました

平成29年4月より生命保険料の改定がありました。改定のポイントとしては、生命保険料の値上げがあります。

保険料の値上げに至った背景には次の理由があります。

〇日本銀行のマイナス金利政策の導入
〇金融庁が定める標準利率の引き下げ

日本銀行のマイナス金利政策の導入により、貯蓄型の保険等については、運用している日本国債や公社債の金利の減少に繋がっています。これまで解約返戻金があったものでも、以前よりも運用利益が見込めない為、販売終了や保険料の値上げとなる商品も出てきています。新たに貯蓄型の生命保険に加入する際は、返戻率をあらかじめ確認する必要があります。

金融庁の定める標準利率の引き下げも今回の改正になります。生命保険料を決めるに当たっては3つの要素を利用します。

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①予定死亡率

過去の統計を元に性別・年齢別の死亡者を予測し、将来の保険金支払の必要額を算出します。

②予定利率

保険会社は運用した結果、その収益を見込んで、収益分だけ保険料を割り引きます。

③予定事業比率

保険会社が事業運営に必要な諸経費をあらかじめ見込んで算出します。

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この利率を決める際に利用されるのが、標準利率になります。標準利率は、10年ものの国債の過去3年間と10年間の平均利回りを計算して算出されます。今回の改正はマイナス金利の影響を受けて、引下げが行われました。

そのため国債等の運用収益が減少してしまうので、保険会社は財源確保として、保険料の値上げを行うと予想されています。

今後も更なる保険料の値上げが予定されています。貯蓄型の保険について、新規での加入は、保険料だけでなく、返戻率も確認することが必要になります。

一方で長寿化が進んでいることで、掛け捨て型の生命保険料の値上げは小さいか、値上げをしないと予想されます。

近年ますます生命保険の仕組みは複雑化しています。前述の改正を考慮して、今一度ご自身の加入している保険を確認して、保険の見直しをされることをお勧めします。

 


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