収入保障保険と所得補償保険

クローバー通信 No.137

お金「収入保障保険」「所得補償保険」。名称が似ている点と、いずれも保険金が毎月受け取れるという点から、同じような保険と思っている人は多いかもしれません。

住宅ローン計算安心でも、この2つの保険、実は全く違う保険です。
目的や対象者の違いを、知っておきましょう。

はじめに

ht208_15p_02収入保障保険 : 死亡に備える保険
所得補償保険 : 就業不能による収入減に備える保険

「収入保障保険」と「所得補償保険」の最大の違いは、収入保障保険は生命保険の商品、所得補償保険は損害保険の商品だということです。内容を詳しく見ていきましょう。

1 収入保障保険とは…?〔生命保険商品〕

保険定期保険の一種で、死亡・高度障害の時に遺族の毎月の生活資金をサポートする商品

〔特 徴〕

① 死亡保険金を遺族が年金方式で受け取る
② 死亡時期が遅いほど、遺族の受取給付金の総額が減る
③ 通常の定期保険に比べ保険料が割安

子どもの成長などにより保険で必要となる金額は減っていくので、自分で見直す必要のない合理的なしくみです。

また、年金形式なので保険金を一度に受取り使いすぎてしまう心配もなく、計画的で安心とも言えます。

多くの商品で、年金月額の金額や受取方法、最低支払保証期間などが選択できるようになっています。

収入保障保険
保険証券◆ 注意したいポイント(収入保障保険)
① 失業しても保険金は受け取れない
② 老後に年金が受け取れるわけではない
③ 保険金を年金方式で毎月受取る場合は雑収入となる

保険金受取人の妻の収入が増えて、税金と国民健康保険料が大幅に上昇してしまうケースもあります。

一時金として受け取りも可能ですが、その場合は受取金額が減額される事を覚えておきましょう。

2 所得補償保険とは…?〔損害保険商品〕

所得補償保険とは、自分自身や世帯主が病気やケガなどの理由で働けなくなり、家計が行き詰るリスクに備え、収入をカバーする商品です。就業不能保険と呼ばれる場合もあります。

〔特 徴〕

◇ 長期所得補償保険の場合

「就業不能」になった場合に一定の金額(定額または現在の所得の60%以内で設定)を60歳や65歳まで長期的に受け取れる商品です。
長期就業不能の定義は「どんな職業にもまったく従事できない」となっており、主治医や保険会社の医師の判断によります。

◇ 短期所得補償保険の場合

支払期間は1~2年と短いですが、「現在の業務に全く就業できない」と定義されている事が多く、就業不能の範囲が広くなっています。

◆ 注意したいポイント(所得補償保険)

『支給要件』と『保険期間』をチェックしましょう。
「就業不能」とは…?ケガで従来の仕事はできないが、別の事務職ならできるような場合は、支給の対象外となります。

また、うつなどの精神疾患は対象外となる場合があります。但し、短期の所得補償保険では特約で2年間なら精神病も対象とする商品もあります。

3 公的な保障は?

会社員などの場合は、『健康保険の傷病手当金』 という制度があります。病気やケガで働けなくなった時に、連続して3日以上休んだ場合、4日目から[標準報酬日額の3分の2]が支給される制度です(最長1年6カ月)。但し、自営業者などの国民健康保険にはこの制度はないので、自助努力が必要となります。他にも 『障害年金』 に該当する場合も考えられます。外形的な障害だけでなく、うつなどの精神病、様々な内臓疾患なども症状によっては障害年金の対象となります。

但し、国民年金の未納がある場合は受け取れないので、納付漏れがないか確認しておくとよいでしょう。

4 所得補償保険は必要か?

204_15p_1休業保障のない「自営業・フリーランス」の人は、加入を検討するとよいでしょう。病気やケガにより入院して仕事ができないと収入が途絶えてしまいます。すぐに復帰できる場合は貯蓄で対応できますが、長期間仕事ができない場合に備えて所得補償保険の必要性は高いと言えます。

会社員は、まず会社の保障制度を確認しましょう。保障制度が十分でなく、貯蓄も少ない場合は、加入を検討するとよいでしょう。

まとめ

マイナス金利などの影響で生命保険の保険料を上げる動きとなっています。貯蓄性の高い商品には影響がある為、早めの加入を促され慌てて契約するケースが考えられますが、保険契約は長期にわたるので、契約内容・予定利率をしっかり確認する必要があります。このような時期だからこそ、「保障」と「補償」と「貯蓄」を分けて考えましょう。必要な保障は必要な分だけ掛け捨てで用意し、自由に使えるお金を準備しておいてはいかがでしょうか?

 

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