最高の職場

従業員が幸せならば、生産性や創造性、やる気などが高まり、企業の業績は向上する。そんなすばらしい職場がイタリアにあった。

それは、テレビ東京の番組「未来世紀ジパング」【イタリアで発見!世界一職人を大切にする会社】で紹介されていた。

セーターが二十万円もする高級カシミアブランドの「ブルネロクチネリ」。イギリスのウイリアム王子も愛用しているというブランドだ。創業者はその名の通りブルネロ=クチネリ氏。彼の出身地はさびれ果てたソロメオ村。「劣悪な環境で働いていた父」をみて、労働者も尊重される職場が必要だと思ったという。それが真のメイドインイタリーを生むと信じ一九七八年にこの地に会社を設立した。

彼が一番大切にしたのは職人たち。

まず、他の業種の平均給与より二割ほど低かった職人の賃金を引き上げた。次に、従業員が働きやすい環境を整えた。工場はガラス張りで庭園を囲むように建て、窓からは光が降り注ぎ明るいきれいな職場を用意。そこはまるでホテルのロビーのよう。

そして、労働時間。一日八時間、昼休みは九十分で残業は年間通してゼロ。良い環境で働くからこそ職人達は仕事に集中し、良い製品を作ることができるのだと彼はいう。

セーターの首もとを編む作業が二~三時間もかかることもあるそうだが、品質のためには手間も時間も惜しまない。さらなる驚きは、技術力の安定や伝授するための取り組みとして、工場敷地内に職人を養成する「ソロメオ職人学校」を設立。生徒二~三人に対して一人の講師がつく。授業料は無料。しかも生徒に月給八万六千円を支給しているという。

彼は「真のメイドインイタリーを世界に発信し続けるには、若者が憧れる職人の道を作らねばならない」と話す。数々の取り組みはこういった考えにもつながっている。更に、ソロメオ村に貢献したいという情熱にも驚かされる。社内食堂はバイキング形式。なんとこれを四百円で食べられる。食堂のシェフたちは地元の料理好きな主婦の方々。食材は地元のものにこだわり調理している。

こういった彼の取り組みにより社員のモチベーションは向上し、その上、地域には新たな雇用が発生、更には農業まで発展した。このように経営とは、人、物、金、時間、情報などの経営資源を活用し、そこに関わる全ての人たちの幸せを追求し実現することを言うのだろう。

さて、皆様はどんな職場を提供しますか。

 


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