2つ以上の会社で勤務する場合の社会保険加入について

1. 2つの事業所で社会保険に加入する場合

社会保険に加入している会社で2箇所同時に働き、報酬を受け取っている場合、両方の事業所で社会保険に加入しなければならない場合があります。

どちらの事業所でも加入条件を満たした場合(通常の従業員の4分の3以上の時間働いている、常勤役員であるなど)手続きが必要です。

役員を兼務し2以上の会社から役員報酬を受けている、もしくは会社勤めをしながら自らの会社から報酬を受けている場合なども同様で、双方が社会保険に加入していれば、双方で社会保険に加入する必要があります。次のような事例を参考に詳しく見ていきます。

《Hさんの事例》

Hさんは、A社に正社員として勤めながら、B社で役員として働き報酬を得ています。
 
A社、B社共に社会保険に加入している。

2. 必要な手続き

どちらの事業所も社会保険に加入していますので、両方の会社で加入の手続きが必要になります。

また、どちらか一方を主たる事業所として選択し、他の事業所は従たる事業所とする「2以上事業所選択届」という書類を主たる事業所を管轄する年金事務所に提出する必要があります。A社を主たる事業所として選択した場合、A社を管轄する年金事務所に提出します。以後、A社もB社もHさんに関する手続きの際は、A社を管轄する事業所に提出することになります。

また、健康保険証も切り替わります。今まで持っていた保険証はA社・B社どちらのものであっても返却します。主たる事業所の名義で新しい保険証が届きます。

3. 保険料の計算

2以上の事業所で社会保険に加入する場合保険料の計算と支払方法も変わります。通常保険料は、月々の給与から標準報酬月額を算定しますが、この場合は、すべての会社の給与を合算し、ひとつの給与に見立てて標準報酬月額を計算します。

先ほどの事例でみていきますとHさんにA社から 30 万円、B社から 20 万円が支払われている場合、給与が50 万円であるものとして標準報酬月額を計算します。そこから導き出された保険料をそれぞれの会社で支払っている給与の割合で按分して負担します。

A社

保険料× 30 万円÷ 50 万円 

B社

保険料× 20 万円÷ 50 万円 

Hさんの自己負担額も同じ割合で給与から差引きます。

 

 


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