NISA(少額投資非課税制度)

クローバー通信 No.122

昨年1月より始まったNISA(少額投資非課税制度)。株式市場の上昇もあり、口座数は順調に伸び、取扱い金額も4兆円を超えています。来年には投資額の増額やジュニアNISAの導入なども始まります。
もう一度制度を見直してみましょう。

1 NISA制度の概要

NISAは、毎年100万円(※平成28年1月から120万円)を上限とする新規投資分を対象に、その配当や譲渡益を最長5年間非課税にする制度です。
◇ 制度対象者: 日本に居住する20歳以上の人
◇ 非課税対象: NISA口座内で購入した上場株式の配当金や、株式投資信託の分配金・商品を売却した時の譲渡益が、最長5年間非課税
◇ 取扱窓口:株式投資や上場株式を取り扱う金融機関
◇ 口座開設: 1人につき、1口座のみ
◇ 取扱商品: 国内外の上場株式・株式投資信託・ETF・REIT等
◇ 非課税投資枠: 毎年100万円(※)までの新規投資
◇ 非課税期間終了後(5年後)の手続き
① 特定口座または一般口座へ移し換える
② 翌年の新たなNISA口座へ移管する
◇ 商品の途中売却:いつでも可能。但し、年度内で売却した分           に対する非課税枠の再利用は不可

2 NISA口座利用の注意点

◆ 損益通算ができない!

NISA口座の譲渡損失は他の口座(特定口座・一般口座)と損益通算する事ができません。

◆ 売却損が出ても課税される事がある!?

 NISA口座から課税口座(特定口座・一般口座)へ移管する場合、その時の時価が取得価格となります。
➡実際購入時より価額が下がり損失が出ても、移管後に値上がりすると、[売却額-移管時の取得価格]に対し、譲渡益が課税される場合があります。

3 NISA口座の開設・利用状況

NISA口座の開設数: 879万1,741口座
買付総額: 4兆4,109億8,051万円

60歳以上が口座数では約52%、買付金額では約61%を 占めています。若い世代の活用はまだまだのようです。

4 どう活用するか?

★ 投資初心者には 毎月一定額ずつ投資信託を購入する、積立投資がおすすめです。国内・先進国・新興国の株式と債券に分散するタイプの商品を選び、無理のない金額を積み立て、余裕があれば 追加するとよいでしょう。

★ 投資中級者には NISA口座は、価格が上昇した場合は売却益非課税のメリットがありますが、価格が下がった時の売却損は、課税口座と異なり損益通産・繰越損失ができません。値動きの激しい株式や外国株などは課税口座で管理し、NISA口座は投資信託等で資産形成してはいかがでしょうか。

5 NISAの制度が変わる

平成28年1月からNISAが変わります。

(1) 年間投資枠の上限が拡大

年間100万円 ➡120万円 20万円増額
※毎月10万円×12カ月で積立ができる 。

(2) ジュニアNISAの開始

◇ 目的: 子どもの将来に向けた資産運用の為の制度
◇ 制度対象者: 日本に住む0歳~19歳の未成年者
◇ 非課税投資枠: 80万円(5年間で最大400万円)
◇ 非課税期間:投資した年から5年間
◇ 20歳以降の手続き: 自動的にNISA口座が開設

まとめ

NISA口座を開設しても有効に活用できていない方が多いかもしれませんが、限度額を無理に使い切る必要はありません。確定拠出年金(401K)制度とは異なり口座内の商品 を途中で売却することもできます。

来年から限度額が増額され、ジュニアNISAも始まります。
現在は平成35年(2023年)までの期間とされていますが、 制度の始まったイギリスでは恒久化されるなど、今後期限が延長されることが予想されます。

資産形成の手段として、家計と相談しながら、自分に合った積立額や投資の実行額を決め、NISA口座を活用していきましょう。

 


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