空室率を下げる不動産活用先進事例

第301回 財産承継研究会

空室率を下げる不動産活用先進事例

講師
株式会社ストーンズ取締役社長 細山勝紀 氏

今回は賃貸に特化した事業を展開されている㈱ストーンズの社長の細山氏を講師にお招きし、ストーンズが提案している、シェアハウスを中心とした「コンセプト賃貸」また「カスタマライズ賃貸」「オンリーワンデザイン」についてお話をして頂きました。

◉コンセプト賃貸とは

ほしいけどなかったというような、コンセプトを持たせた賃貸物件。例えば自転車愛好家向け賃貸・富裕層向けセカンドハウス型ガレージハウス・バイクガレージ賃貸・シェアハウス。中でもここ3年くらいで人気を集めているのがシェアハウスです。メディアでもたびたび取り上げられていますが、アウトドア派・菜園付・起業家向け等、さまざまなコンセプトを持ったシェアハウスがあります。

シェアハウスとは…?

欧米ではごく一般的な住居形態として定着していますが、今は日本でも着実に浸透し始めています。リビングやダイニング、トイレ、お風呂、洗面所を共同で利用し居住者同士が穏やかな絆を楽しむ今どきの共同生活です。何人かで生活することにより寂しさから解放され、悩みを分かち合い、時には刺激を与え合う、そんな仲間との楽しい暮らし方が新しいライフスタイルになりつつあります。

シェアハウスは、築年数によって賃料が左右されるものではありません。かえって古さを売りにして物件の良さを引出し賃料アップに繋げることもできます。普通の賃貸との一番の違いは、単なる住む場所ではなく人と人との繋がりを広げられる可能性を秘めている点です。

例【シングルマザーシェアハウス】

ストーンズが運営しているシェアハウスの中の、シングルマザーを対象とした、子育ても仕事も両立するシェアハウス。背景には子育てに対する悩みの深刻化がありました。仕事と子育ての両立・離婚率の増加・育児ノイローゼ・母親の孤立化・核家族・相談相手不在等。そんな悩みを解決してくれるのがこのシングルマザーシェアハウス。仲介手数料なし・保証人不要・敷金あり・契約は定期借家契約(3〜12カ月)。入居時に仕事が決まっていなくても入居可能といった入居のしやすさも魅力です。

ただこのシェアハウスは弱者救済ということではありません。あくまでも自立した生活を営み、子育てを中心にしたコミュニティを作り、親の生活に気持ちと時間の余裕を見出して前向きな姿勢が取れることをコンセプトにしています。その為に、チャイルドケアサービスがあります。これは、お母さんと子ども達の生活に安心感を与えるもので、毎週決まった曜日の夕方から夜にかけてチャイルドケアワーカーを派遣します。預かり保育ではありません。保護者がいる環境の中でのチャイルドケアです。夕食を一緒に食べて、遊びの相手をしたり、子供の宿題をケアしたりしますので、その間親は少しだけ自分の時間が取れたりもします。

共同生活によるデメリットは多少ありますが、それ以上に親にとっては保育園のお迎えなど自然な助け合いが生まれたり、子育てについての相談相手ができたり、子供にとっては、いろいろな親の価値観から多様な感受性が育ち、社会性が芽生え、孤立化を防ぐことができます。

大家さんのメリットは大きく2つ

1.高い収益性…水回りが共有なので、初期投資が少なくてすみ、一般の賃貸よりも単価を高く設定できます。
2.他の物件との差別化…共用施設の充実、共用部のデザイン性、コミュニティの創設など一般物件より付加価値性が高く差別化の要素が大きい。

こんな大家さんに適しています

①空き室が多いファミリー向けマンション
②借り手が見つからない戸建一軒家
③空いたままの社員寮
④活用を検討中の土地

◉カスタマライズ賃貸

これまでの供給側で考えた間取りやデザインを提供するのではなく、入居者本人が自分で好きなようにリノベーションをして自分にしか出来ない空間で生活できる賃貸。駅から遠くバス便、築年数が古くてなかなか入居者が決まらない物件におすすめ。金額はある程度上限を決めて、その中で入居者と相談しながら作り出すものです。

◉オンリーワンデザイン

これまでの概念にとらわれないそこにしかないデザインを施し競合物件との差別化をはかり賃料・入居率両方の向上を図る。万人受けするものでなく、ある一定の層をターゲットにするものです。

☆最近の広告事情

一般物件ではない特殊な物件については、広告の出し方がかなり重要になってきます。リスティング広告が有力です。関連するキーワードでインターネットを検索したような場合、そのHPの上の方とかに出るような広告です。

☆都市生活に必要な3つの居場所

①仕事場所②プライベートルーム③中間的な居場所

3つ目の中間的な居場所とは

それは特別な場所ではなく、個人の肩書や能力よりも性格や個性が重視され、家とは全く違うが家に類似した居心地の良さがある場所。会話のあるシェアハウスのリビングやラウンジであったり、行きつけの飲み屋さんだったりするのかもしれません。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2014年3月28日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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