資金繰り悪化の原因と対策 ♦第1回♦
『利益はもちろん重要。だが創業時から一定の規模になるまでは、資金の問題が最大の経営課題である。この時期は、資金をやりくりすることが経営者の重要な仕事』
上記は、京セラの創始者〝稲盛 和夫氏〟の言葉です。
資金のやりくり、すなわち「資金繰り」は会社経営においてとても大事な仕事です。資金繰りを誤ると会社を倒産させてしま うことにつながってしまいます。そこで、今回はその資金繰りを悪化させる原因を考えてみます。
①回収と支払のズレ
回収が早く、支払いが遅ければ、資金にゆとりが生じます。
回収と支払いが同じ期間なら ば資金負担がありません。
回収が遅く、支払いが早けれ ば、資金がショートします。
②在庫の増大
在庫が増えると資金繰りが苦しくなります。いわば、お金が倉庫に眠っているのです。しかも眠っている間に価値はどんどん下がります。そのうちデッドストックになってしまいます。
つまり、在庫量が増えれば増えるほど、在庫期間が長くなればなるほど資金繰りを圧迫するのです。
③投資の失敗
通常、設備投資は長期借入金によって行いますが、その返済額を設備投資から生ずる収益と 設備の減価償却費の合計が上回っていれば、とりあえず資金繰りは圧迫しません。
ところが、思うように売上が上がらなかったり、余分な費用がかかったりすると、途端に資金はショートします。
設備投資の失敗は、金額の大きさから企業経営の命取りになる場合が多いです。
④売上債権の貸倒れ
得意先が倒産し、売掛金が回収できなくなったり、受け取った手形が不渡りになると、重大な資金ショートが生じ、下手をすると連鎖倒産してしまいます。
⑤赤字の垂れ流し
「勘定あって銭足りず」という言葉があるように、利益計算と資金計算は異なります。つま り、月に1000万円を売り上げても、それが掛売りだったとすれば現金はゼロです。このよ うに売上時期と回収時期、仕入時期と支払時期には誤差が生じるのです。
しかしながら、1~2年の期間でみればこれらは一致します。よって、赤字の垂れ流しは、 即資金の垂れ流しにつながるのです。
思いあたることはございませ んか?
早期に治療すれば回復の可能性はより高くなります。
次回はその治療法、資金繰りを改善させる方法を考えていきます。「お金はまわっていますか?」 「運転資金は足りていますか?」 「設備投資のご予定は?」
私たちは皆さまの資金繰りをサポートいたします。
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