中小企業の採用について考える!⑨

シリーズで『社長が必ず知っておきたい情報』に的を絞り、『中小企業の採用』についてご説明していますが、今回は、『採用バブルに備える!』についてお伝えします。

◆採用バブルとは?

採用バブルとは、採用数が急激に増え始めて、どのような業種でも大量採用がおこなわれている状況を言います。新卒者の求人倍率は、直近では、2006年から2008年の間は求人の件数が増えて、売り手市場と呼ばれていました。ご記憶にある方もいらっしゃると思います。

採用バブルでは、『大企業が大量採用をおこなうので、知名度が低い中小企業は採用で不利』になります。2013年の夏以降、各種の統計資料から、採用バブルになりつつありますので、今後、採用を予定している会社は要注意です!

◆人が採れない時こそ…

採用バブルでは、募集しても人が集まらない状況になるので、焦って採用してしまい、採用の失敗がおこりやすくなります。人が採れない状況になったときこそ、採用業務の一つ一つを点検することがとても重要です。 『①求人の募集時』 『②応募書類の受取時』 『③適性検査や試験』 『④面接』 と、採用をプロセスごとにチェックすることで、採用の失敗を少なくできます。例えば、書類選考の段階でハードルを設けることで、本気で入社したい応募者をふるいにかけることができます。さらに、適性検査や面接試験でふるいにかける方法もあります。

◆中小企業で求められる人材は大企業とは違う!

大企業で活躍できる人材は、中小企業でも活躍できる人材であると誤解されている方を多く見受けます。履歴書の職歴に有名企業があるからといって、採用を即決することは危険です。

それは、大企業で活躍できる優秀な人材と中小企業で活躍できる優秀な人材はタイプが異なるからです。中小企業では何でも自分で動かないといけない環境ですが、大企業ではプロジェクト業務の経験者でない限り、フットワークの軽い方はそんなにいません。どこまでを守備範囲として求めるかによって、採用すべき人材は変わってきます。

◆自社の売りを明確にする!

中小企業に求める人材がわかったところで、次は、優秀な求職者をいかに惹きつけるかが、採用バブルの中ではとても重要なポイントです。

まず、着手すべきなのが、『自社の売りはなにか?』を整理することです。求人募集時のポイントは、自社のカラーに合いそうな優秀な求職者に『会社の売り』をいかに伝えられるかです。中小企業は大企業に知名度ではかないませんので、どういう切り口で見せるかがポイントです。これは、社長一人で考えるよりも、全社的な課題として、多くの社員に意見を出して貰った方がうまくいくケースが多いのでお勧めです。

採用バブルでは、募集する職種によって応募がまったくないこともあります。現状を把握する上で参考になるのが役所の情報です。【厚生労働者 一般職 業紹介状況】とインターネットで検索すると、現状の職種別の有効求人倍率を無料で見ることができます。自社の業界が、現在『採用バブル』になっているかどうか、ある程度の目安になりますので、求人を出す場合、ぜひご活用ください。

次回は、『採用失敗の本質』 をご説明します。

 


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