資産運用の基本 その2 リスクとどう付き合うか? ポートフォリオ・アセットアロケーション

【 はじめに・・・ 】

『財産三分法』:昔から財産は土地、株、現金に分けて持てと言われています。資産を集中させずに分割する事で、安全に殖やせる事が経験的に語られてきたのでしょう。

不動産:現物は減らない、なくならない ⇒安全性
株 式:事業が成功すれば一番儲かる  ⇒収益性
現預金:いつでも使える       ⇒流動性

今回は、資産運用をしていく中で抑えておきたい、「リスクの種類」とリスクを回避する為の「資産分散の効果」についてお話していきます。

【 どんなリスクがあるか? 】

◇価格変動リスク◇

市場で取引され、価格が変動する事を指します。

◇為替変動リスク◇

価格変動リスクの中で特に外国為替相場の変動を指します。円高・円安など経済や世界情勢によって変動します。

◇信用リスク◇

債券や株式を発行する国や会社、預金先の金融機関などの信用度を指します。資産の裏づけや実績のある国や会社の債券は信頼性が高く、反対に財務状況や情勢・商品の欠陥など発生した国や会社は倒産や不履行の可能性が高くなります。

◇流動性リスク◇

現金が必要な時にすぐに現金化できるか?解約時に時間や費用がかかるか?などを指します。

◇インフレリスク◇

インフレになると資産価値が上がる反面、紙幣価値が下がります。その際に資産価値の上昇の恩恵を受けられないことを指します。

【 リスクを回避する為には? 】

1. 資産の分散 「ポートフォリオ」 「アセットアロケーション」

→国内外の様々な資産(不動産・株式・債券・現預金など)に
分散投資する

2.時間の分散

→投資するタイミングを分ける
積立投資、ドル・コスト平均法の効果

3.長期保有

→長期になればなるほどリスクが平準化される

【 ポートフォリオとは? 】

=金融資産の一覧表・資産構成

ポートフォリオ理論

互いにリターンの相関が低い資産を組み合わせて保有する事で全体のリスクを低減できるという考え方

好調不調の波が違う資産を併せて持つ事で、大きな損失を減らし、経済状況の変化に対応できます。

いくら分散しても同じ動きをする資産だけで分散しては、あまり意味がありません。似たような動きを[相関]、逆の動きを[非相関]の関係と呼び、非相関の組合せを選ぶ事で分散の効果が高くなります。

非相関の例:
「株式と債券」 「日本株式と海外債券」 「日本債券と海外株式」

【 アセットアロケーションとは? 】

=戦略的資産配分

資産を「どこの国(地域)の」「どの市場に」「どれだけの比率で」組入れるのかを言います。

投資する期間が長ければ、収益性を重視し株式の割合を増やし、短ければ安全性を重視し債券の割合を増やすのが一般的です。但し、その人により配分すべきアセットアロケーションの中身は違います。年齢・資産総額・資産運用の目的・投資期間・性格(どれだけのリスクが許せるか)などにより、決める必要があります。

またこの配分は、一度決めたら終わりではなく、状況の変化に合わせて見直していきましょう。1年に1回はチェックを。

次回は、リスクを回避する方法の

「時間分散の効果」
「長期保有の効果」

についてお話します。

 


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