はじめての金投資 その3 金ETF・保管・税金について

【 はじめに 】

今回は、間接的に金に投資する方法や、保管方法・税金の取扱いなどについてお話しします。

【 金ETFとは・・・? 】

金ETFとは、金の価格に連動して基準価額が動く上場投資信託で、国内の証券取引所に5本上場しています。1口4,000円程度から購入できる商品もあり、株式と同じ様に、証券会社で取引できます。

「短期的に金相場に投資したい」「資産のリスク分散を考え金を組み入れたい」などの場合、活用するとよいでしょう。

[特徴]

株式のように手軽に売買でき、取引コストが安い。
特定口座で株式との損益通産が可能。
金を保管する必要がない。

[注意]

金ETFには2種類あります
・「金を保有し資産の裏付けがあるファンド」
・「金価格に連動する債券に投資するファンド」

ファンドの大半は金現物と交換できませんが、一部のファンドは、1kg以上(約400万円~)で交換が可能です。

信託報酬が、残高に対し年0.4%程度かかります。

【 保管について 】

金融不安の今だから現物を手元におきたいと思う方もいらっしゃるでしょう。

ただ盗まれてしまっては、元も子もありません。また金は傷つきやすいので、取扱いには注意しましょう。傷がついていると買取時にプレミアムが上乗せされないこともあります。

金現物を自分で保管する場合は、銀行の貸金庫などに入れる方が安心です。使用料は取扱銀行や貸金庫の大きさにより、年額1~3万円程度と様々です。また金を取扱う会社によっては、手元にある金地金を保管してくれるサービスもあります。手数料は年間5,250円程度から。重量が多ければ手数料も高くなる所が多いようです。

純金積立の場合は、自動的に保護預りになり、手数料は不要です。

【 購入・売却時の税金の取扱い 】

[消費税]

購入時には消費税が課税されますが、売却する時に売却価格に消費税が上乗せされて戻ってくるので、実質的には相殺されます。

[売却益に対する課税]

☐ 譲渡所得として申告するケース

金地金・金貨などの売却益は、譲渡所得として課税されます。給与所得等、他の所得と合算で総合課税の対象となります。 ただし、一個又は、一組の価格が30万円以下の貴金属は通常生活に必要な資産として売却益に課税されません。

〔譲渡所得の金額〕

譲渡益(売却益)=収入金額(売却額)-必要経費(購入額・手数料等)

[短期譲渡]保有5年以内:合算の譲渡益―特別控除50万円

[長期譲渡]保有5年超:(合算の譲渡益―特別控除50万円)×1/2

譲渡損が出た場合は、『他の譲渡所得』と損益通算できます。

☐ 雑所得で申告するケース

純金積立の積立中の一部売却は、継続的な売買として雑所得として課税されます。給与の年収2000万円以下で、雑所得の年間合計が20万円以下であれば申告の必要はありません。

【 相続・贈与の税金の取扱い 】

金地金も財産として相続税・贈与税の対象となります。

〔相続の場合〕

評価額は、亡くなった日の金の小売価格そのほかの相続財産に含めて相続税額を計算します。

〔贈与の場合〕

評価額は、贈与が成立した日の金の小売価格
年間の受贈額(もらった金額の合計)が110万円を超えた場合は申告が必要です。

【 まとめ 】

『金』投資も、他の金融商品と同様にメリット・デメリットがあります。資産運用の基本である分散投資の投資先の一つとして考え、① 「資産の10%程度を」 ② 「リスクと手間を極力省き」 ③ 「時間を味方にコツコツ積み立て」 リスク分散を図りましょう。

子どもや孫のお年玉の中に毎年一枚ずつ金貨を忍ばせる、純金積立で貯まった分で、誕生日や成人式にアクセサリーをプレゼントなど、家族も喜ぶ資産運用法を考えてみませんか?

 


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