少子高齢化社会と賃貸経営リスク

第276回 財産承継研究会

講師
保険サービスシステム株式会社 グループマネージャー 山本 哲也 氏

単身(高齢)世帯の増加と家主のリスク対策

賃貸住宅戸室内において自殺・孤独死等の死亡事故があった場合は、なかなか新たな入居者が見つからないのが実態であり、オーナー・管理会社にとって長期間にわたる家賃収入の喪失を余儀なくされます。

また、遺品整理や清掃等にかかる費用負担について遺族との間でトラブルとなり、オーナーが負担するケースも少なくありません。

少子高齢化の進展を背景に、賃貸住宅内での死亡事故は今後ますます増加することが想定されることから、賃貸住宅経営におけるリスク回避の為の一手段として、保険、共済への加入が挙げられます。

①賃貸住宅管理費用保険

死亡事故による空室・値引期間の家賃保証及び原状回復費用が補償され、保険金額は一事故につき、それぞれ200万円、100万円を限度として支払われます。

※一被保険者(オーナーまたは管理会社)あたりの所有・管理する戸室数が5戸室以上20戸室以下で、単身者の居住が想定される戸室のみを対象。保険金は合計1000万円を限度。

②死亡事故見舞金共済

オーナーが負担する清掃費等の臨時に生じる費用に対して、日本賃貸住宅オーナー共済会より共済金が支払われます。

オーナーの賠償リスクと対策

建物に瑕疵があることによって他人に損害が生じた場合、オーナーがその損害を賠償するというリスクがあります。施設所有(管理)者賠償責任保険への加入で、事故により他人に身体の障害を生じさせたこと、他人の財産を損壊させたことによる損害賠償責任が補償されます。

オーナーに必要な保険と入居者に求める保険

オーナー加入が必要な保険として、火災保険、地震保険が挙げられます。特に、加入後の経過期間が長い火災保険は、補償額低下による見直しが必要でしょう。

また、入居者加入が必要な保険として、借家人賠償保険(現状回復義務への備え)、個人賠償保険(入居者間トラブルへの備え)が挙げられます。

借家人賠償保険は、管理不動産業者が損保代理店の場合に契約代行していることが多いので、内容把握と加入の有無、及び現在も継続加入されているかの確認が必要となります。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2011年11月25日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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