第11回財産管理法人の資産運用
第276回 財産承継研究会
講師
第11回財産管理法人の資産運用
税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三
9月10日、日本FP学会で「運用対象としての国債~日本国債は安全資産か~」というテーマでシンポジウムが開かれました。「~日本国債は安全か~」というテーマ自体、私自身にとって衝撃的でした。たまたま同日に発売された月刊文芸春秋にも、日本の国債・財政破綻をテーマとして、「資産防衛の三つの鉄則」と財政破綻に至るシミュレーションをドキュメント風に紹介した「崩落1ドル50円時代」が掲載されていました。今回はこれをご紹介します。
資産防衛の三つの鉄則
国、地方を合わせた長期債務残高が平成23年度末において、894兆円程度といわれ財政が悪化しています。このまま財政赤字が増えつづけ、将来、日本の財政が破綻した場合、次の三つの経済事象が想定されます。
①国債価格の暴落にともなう金利の大幅な上昇
②通貨が信任を失うことによる円安
③高金利と円安が引き起こす高率のインフレ(ハイパーインフレ)
そこで、財政破綻に備えて個人でできる資産防衛の三つの鉄則として、
①変動金利の借入をしないこと
②実体のない投機に手を出さないこと
③外貨、海外の株式・債券などへの分散投資
が挙げられます。
財政破綻がいつ頃起きるのか
財政破綻がいつ起きるのかについては、
フェーズⅠ(2011年9月から2013年8月)
フェーズⅡ(2013年9月から2016年8月)
フェーズⅢ(2016年9月から2018年8月)
とシミュレーションが進み、フェーズⅢにて日本の財政危機が起きるのではないかと書かれています。今すぐ急に起きるというものではありません。
しかし、このような事態が生じても慌てないよう心に留めておくことが大事です。現にギリシャで起きている財政破綻危機の後は、日本に飛び火する可能性が世界の投資家の間でささやかれているとのことです。
このように、将来起き得ることを認識し、外国に個人・法人預金口座を開設する等、今後の動向に備えることが重要となってきます。
(※フェーズ:局面)
♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥
2011年11月25日(金) 18時30分~20時30分
☎044-811-1211(石井・駒まで)
お申し込みは こちら
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