追悼 冨永武先生

先生は3月16日、スーと消えるように旅立たれてしまいました。突然の早いお別れに呆然としております。

先生のご病気は知りながら、療養をしつつもあと五年・十年とご一緒にお付き合いをさせて頂きたかったのに、余りにも早い旅立ちでした。
税理士業の最も忙しい時期といわれる、所得税の確定申告の期日が終わるのを見守るかの様に、旅立たれてしまいました。

先生とは2月6日から8日まで、奥さま共々山梨県にある増富ラジウム温泉へご一緒する予定でした。一週間前に「少し体調が優れないので、今回は延期してまた良くなったらご一緒します。」とのことで、私たち夫婦は予定通り増富温泉へ行く事とし、その日の朝先生のご自宅にお寄りさせて頂き、しばらくお話させて頂きました。その折はやや窶れはあるものの、普段と余り変わりなく身支度もお話もしっかりされていて、又ご一緒できることを楽しみにしておりました。

この時が最期になるとは思いもしませんでした。
思い起こせば、先生が私どもと一緒に仕事をさせて頂くきっかけは、やはり2年前の3月、確定申告の忙しい時に先生が手術をされ、お元気になられた翌4月早々に「廃業したいのだが、お客さまにご迷惑掛けられないので、お客さまを引き継いでくれる事務所の紹介の労をとって欲しい」と7事務所を候補として挙げてのご依頼でした。その中に小川会計と滝田会計がありました。

滝田先生とはパートナーシップのお話をしていましたので、滝田先生に冨永先生のことをお話したところ、快く応じてくださったので、7月1日にパートナーとして合同することになりました。

先生は、税理士業が大好きで大好きで税理士としてやっていきたい、しかし、病魔に襲われ廃業せざるを得ない、その無念さを押し隠しながら、私に声をかけて下さったお気持ちは痛いほど判りました。

私は「先生、廃業などせずに一生税理士として全うしませんか、お客さまには私たちの力の及ぶ限り安心して頂けるように頑張りますから」と言い、先生に快諾頂き私もほっとしました。

先生のお客様に対する姿勢は、徹底的にお客さまの立場に立ち、お客さまを大切にしておられ、ややもすると自分中心になりがちな私たちに対して「お客さまの目線はそうじゃないよ、もっとお客さまに解りやすくなければ」と易しい口調と笑顔で私や職員たちに話されている姿やいつもニコニコされて職員の誰に対してもキチッと丁寧にお話されている姿は脳裏から離れません。

先生が大切にされていたお客さまを私たちも大切にしていきます。先生には到底及ばない事は重々知りつつも誠心誠意お客さまに尽くしていく所存です、どうぞご安心ください。

先生が平成19年7月1日LRパートナーズに着任された日、私は将棋盤を事務所に用意して先生と将棋を指すのを楽しみにしておりました。しかし、お客さまの融和を第一に考えられることから「ひと段落して、落ち着いてからにしましょう」との一言、公私を峻別する先生のお考えに従い、この3月を過ぎてからと、しまっておきました。先生から「増富温泉でゆっくり指したかったのに行けなくて残念です。早く体調を取り戻して、又お願いします」という言葉が最後になってしまいました。

先生が最期まで税理士として全うされ、税理士のあり方を私たちにお示しになられた事を教訓とし胸に刻み、先生のご冥福をお祈りし、追悼の言葉といたします。

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三

 


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