外貨建て金融商品入門 その4  外貨を有利に両替・代金決済するには…?

【はじめに・・・】

海外旅行をする場合、円高になるのはおトクで嬉しいNEWSですね。銀行などで両替し、旅行中の買物などはクレジットカードを利用する人も多いのでは? でも両替のタイミングや、カードの決済日によって、為替レートが変わり支払額が大きく変わる事も!海外旅行だけではなく、通販などで個人輸入する場合も同様です。今のように為替が急激に変化する事もまだまだ考えられます。そんな時どうしたらよいのでしょう?

【トクする両替は?】

両替と言うと銀行が一般的ですが、有利に両替する方法として、金券ショップでの利用が増えています。

<メリット>

◇銀行の閉店した土日や平日午後7時頃まで利用できる事。
◇手数料が2円程度で、銀行より安いケースがある事。

<デメリット>

◇現金のみでトラベラーズチェックは取り扱っていない事。
◇米ドル・ユーロ・ウォン・人民元などメジャーな通貨しか取り扱っていない事。

但し、土日は、前日の為替レートを適用する場合と、週末の海外市場の為替レートを適用する場合があり、平日でも手数料にバラつきがあるので、複数のお店を比較する事が必要です。

【ドルをドルのまま使うには?】

外貨預金を外貨のまま引き出す場合は、取扱い銀行も少なく、両替するより高い手数料がかかることがあります。
(*三菱UFJ銀行の場合:外貨現金での預入→1米ドル2円、引出→1米ドル1.8円)

今まで外貨預金やその他の外貨建て商品を保有していた場合、円安に進めば円に戻し、円高が進めば、泣く泣く損切りをするか、次の円安になるまで保有するのが一般的でした。

ところが、昨秋頃から、2通貨(円と米ドル)どちらでも決済できるクレジットカードやデビットカードが登場してきました。いったいどんな商品なのでしょうか?

【2通貨決済機能付カードとは・・・?】

クレジットカードのひとつで、国内での利用は円預金から支払い、海外での利用は米ドル預金から支払う事ができるカードです。前提条件としては、特定の銀行・証券会社に、米ドル預金か米ドルMMFが必要です。

カードによって、年会費がかかる場合もあります。しかし、米ドル預金からの引落しの場合、通常円で支払う場合に比べ、為替レート+上乗せの手数料(SBIカードの場合3円)がかからない分、有利であると言えます。他にも外貨預金額が不足している場合は、円預金から自動的に引き落とされるサービスや、キャッシング機能で海外で直接外貨を引き出す事も可能です。

各カード、クレジットカード・デビットカードとして、他にも様々な機能があります。また手数料などの条件も様々です。よく調べて自分に合ったカードを選ぶようにしましょう。

◆2通貨決済機能付ソニーカード 〔ソニーファイナンス〕

米ドルでの買物は米ドル建て預金口座から引落し。円預金口座からの引落しも可能。

・ソニー銀行で米ドル建て預金口座開設が必要。
・年会費:5,250円。外貨預金金利優遇制度あり。

◆SBIカード レギュラー・ゴールド・プラチナ 〔SBIカード〕

米ドルでの買物は米ドル建て預金口座から引落し。円預金口座からの引落しも可能。

・住信SBIネット銀行で米ドル建て預金口座開設が必要。
・年会費:レギュラー0円、ゴールド5,250円、プラチナ31,500円。外貨預金預入時の為替手数料優遇キャンペーンあり。

◆日興プラチナカード 〔日興コーディアル証券〕

海外での買物は米ドルMMFから、日本での買物はMRFから引落し。

・日興コーディアル証券で米ドルMMF・MRF保有が条件。
・年会費:21,000円 旅行に関する様々なサービスあり。

◇シティドルカード 〔シティカードジャパン〕

米ドル決済専用。米ドル建て預金口座から引落し。

・シティバンクで米ドル建て預金口座開設必要。
・年会費:105ドル

【まとめ】

2通貨決済機能付カードは、預入時の為替手数料や預金金利を優遇しているケースも多く、海外旅行が好きな人や為替の意識の高い人にはおすすめです。円高が進んでいる場合は円決済カードを、円安になっている場合には米ドル決済カードで支払えば、より有効に使えます。新しい商品なので、これから取扱い会社や機能が増える可能性があるでしょう。

為替相場の見通しを立てる事は難しいですが、円高・円安どちらに進んでも、慌てず対応できる様、アンテナをはっていきましょう。

 


神奈川県川崎市で税理士・社会保険労務士をお探しなら

LR小川会計グループ

相続・資産に関するご相談、経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします。


お問い合わせ