知っておきたい『あなたのねんきん』 その7 確定拠出年金について
【確定拠出年金の制度と背景】
確定拠出年金とは、一定の掛け金を支払い、資産の運用方法を加入者自身が選択し、運用成果次第で将来もらえる年金額が増減する制度で、公的年金の上乗せ部分の新たな選択肢として制定されました。(401Kとも呼ばれています)
この制度が出来た背景には、企業年金を実施している会社員などと、自営業者・中小零細企業の従業員との格差を解消する、また、運用リスクを個人が負う事で企業や国の運用リスクを軽減するという狙いがあります。
「個人型」 :
①自営業者 ②企業型年金・厚生年金基金などを導入していない企業の従業員
「会社型」 :
企業の従業員が加入
*そのタイプによって掛け金の限度額が決められています。
*公務員や第3号被保険者(専業主婦)は加入できません。
◆メリット
*加入者個人が運用方法を決めることが出来る。
*経済・投資への関心が高まる。
*離転職時に年金資産の持ち運びが出来る。〔=ポータビリティ〕
*自助努力による退職給付の蓄積が出来る。
*加入者自信が、常に残高を把握できる。
*税金の繰り延べ効果がある。
◆デメリット
*運用リスクを負い、将来の受給額がわからない。
*運用する為の知識が必要となる。
*原則60歳まで途中引き出しが出来ない。
*勤続期間が3年未満の場合には、資産の持ち運びが出来ない可能性がある。
【企業側にとって・・・】
◆メリット
*運用リスクの回避。
*数理計算などの制度運用の事務負担が少ない。
◆デメリット
*投資教育の必要性。
*加入者毎に記録の管理が必要となり、管理コストがかかる。
【税金】
控除 と 繰延効果
掛 金 : 〔個人〕 全額所得控除 〔企業〕 全額損金
運用時 : 積立金に対する特別法人税課税(H19年度まで凍結中。3年延長予定)
給付時 : 〔年金受給〕 公的年金等控除 〔一時金〕 退職所得控除
◆税金の繰延効果
年金資産の運用により得られた利益は課税されません。その分運用にまわす事ができるので、複利効果で運用益に大きな差が出てきます。
【離転職時の持ち運び】
◆ 手続き忘れに注意 ◆
加入者が転職する際に手続きを忘れた為に、年金記録が宙に浮いているケースが昨年3月末でナント約8万人いるそうです。転職で401Kのない企業に移った場合、年金資産を「個人型401K」に移管する手続きをする必要があります。手続きしないと年金記録が宙に浮いたり、資産運用しないまま管理手数料だけが引かれるなど悪影響も出てきます。
但し、①年金資産が50万円と少額 ②加入対象ではない公務員や専業主婦になった など複数の要件を満たした場合は、中途解約も出来ます。
【どのように運用するか?】
運用商品は下記の商品の中から3商品以上の選択肢が提示されます。
①預貯金
②公社債
③投資信託
④株式
⑤信託
⑥保険商品
運用のリスクを考えると元本確保が他の商品を選びがちですが、事務費や運用管理など手数料がかかるため、マイナスとなるケースもあります。積立による時間分散の効果もあり、長期にわたり運用できるので、自分の知識やリスク許容度に合わせて、投資信託や株式も組入れて資産配分すると、より利益を生む効果が高くなります。最初に選ぶ際には、①わかりやすく >②手数料が安い 商品を選ぶと良いでしょう。
*自分の為・家族の為にも、投資の知識は不可欠です。
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