MG研修が様変わりした!

1月開催MG研修レポート

昨年は「経営とは何か」、「社長の役割」、「後継者育成の妙案」、「MG参加のご利益」等々考察する機会が多かった。どの項目も経営者にとっては重い課題である。しかし多くの経営者は成功を収めている。

MG研修はたくさんのヒントを与え続けてくれた。

1.経営とは何か

ここでは、経営学のテキストで解説 していることを述べるつもりはない。初心者が頭に叩き込んでおいてほしいのは、経営とは現在も将来にわたっても利益を出し続けることだということである。これはエリヤフ・ゴールドラット博士の「制約理論」(著書「ザ・ゴール」 参照)で述べている考え方である。MGは利益を出し続けることの意味を体験する。資金の準備、製造能力、価格競争力、販売力を駆使して利益を出さなければならない。忘れてならないのは社長自ら決算を行ない計数を知ることが必要である。

2.社長の役割

MGのプレーヤーは社長として参加する。社長は会社経営の最高責任者である。社長は常に意思決定を求められる。MGでは意思決定カードに選択肢が記述されている。意思決定のスピードはゲームの効率化につながり、選択の適否はゲーム展開に直接反映される。現実には即決即断を求められるのが社長である。現職の社長にとってはゲームだと思えば物足りなさを感じるかもしれない。

3.後継者育成の妙案

はっきり言って、後継者育成は永遠の課題であり、妙案などは存在しない。しかし賢い経営者は早い時期から準備を開始している。昨年8月、川崎市の高等学校キャリアアドバイザーからインターンシッ プ受入要請があった。そして川崎インターンシップ推進協議会からは大学生の受入要請があったので、当社の業務内容を説明する道具としてMGを活用した。

普段のMGでは珍しい高校1年生から大学3年生までの参加者と当社ベテラン社員がプレーヤー兼アドバイ ザーとして加わった。MGは企業活動、社長の役割を体験する道具として採用した。カリキュラムはMGと社長の役割、経営計画の立て方、他社の研究をゆっくり、わかりやすく解説した。

この企画で最も感動したのは、参加者一同がゲームのルールになれると、決算ばかりではなく、経営計画の重要性や他社比較等を実に楽しく、的確にやってのけたことだ。若者向きのMGによる経営擬似体験は、後継者育成の道具として十分使えることを確信した。

4.MG参加のご利益

MGのベテランは毎回MGルール解説を丁寧に拝聴する。細かいルールも手を抜かない。ルールに慣れるための第1期、第2期は初心者にわかりやすくするため、インストラクターばかりでなく、ベテラン参加者も丁寧にサポートしてくれる。

A卓、B卓等、競争心丸出しの部分もあれば、互恵精神あふれる雰囲気も ある。ゲームとは別に通称 3.5 期という、任意の懇親会は、各種情報交換の場となっている。特に若い経営者にとっては、利害関係のない全国の経営者と 親交を深めることができる。ゲーム参加後の永い交友関係は貴重な財産といえよう。

5.外部との交流で得たこと

①MG界の皆様とお会いできたこと

さて、昨今の当社MGは様変わりした。MG界で特に有名な方々にMG活用事例発表をお願いしてから、全国から多くベテラン諸氏に参加していただくようになった。MGに取組む姿勢が異なると,会場全体の雰囲気が独特の温かみに包まれる。

これまで初MGの壁を越えることなく、2度と参加されない方々が相当数誕生した。前述4のせっかくの機会を体験できずに中断されるのは、いかにも惜しい気がする。

もう一つ、これまでは当社のMGを基礎にして考察してきた。井戸の底から外界に向かって語り続けてきたようなものだ。全国各地の方に参加していただいてから見方が変わった。MGが経営感覚を醸成するまたとない道具であることは、何度も記してきた。

周到に準備されたゲームは、MG精神の核である。しかし全国には西先生が練り上げたルールを応用し尽し、限界に挑戦するつわものがおられる。

彼らはますますゲームを活性化させ、普段の経営に応用している。全国のMG愛好者とお会いできたことは、永年西先生が提唱されている科学経営、戦略経営、全員経営をほんの少し理解するきっかけとなった。

②大学関係者との交流で得たこと

当初はインターンシップ希望者受入から交流がはじまった。まだ緒についたばかりなので多くを記す段階ではないが、経営者のご子息を預かっている大学で、実学を重視している学部の先生はMGに興味を示 している。すでにマネジメントゲームを授業に取り込みはじめた大学が存在する。

③MG愛好者は自らの 経営哲学を持っている

初めてゲストとして登場していただ いた板東社長には、本当に驚いた。ゲームの完全制覇は言うに及ばず、自社で磨いてきた価格政策の理論的背景は説得力十分である。登場する経営者の皆さんは、西先生が提唱してき た理論を自らの経営哲学で纏め上げ、経営に役立てている。 「全員経営」に込められた全国各地の経営者のたゆまぬ研鑽に敬服すると共に感謝申し上げたい。

④会計事務所の役割を再認識した

会計事務所の役割は、お客さまの税務申告を行うことだとの認識は今もって根強い。現実に社員の総労働時間の大半は、税務申告に向けて費やされているから無理もない。しかしながら最も大切な役割は経営に役立つ会計を行うことにある。

MGは戦略経営を目指して経営資料提供するよう説いている。インターンシップ実施でゆっくりとしたわかりやすいMG運営を行ない、当社の組織をMGと比べて説明してみると、会計事務所の役割がよくわかる。参加した学生・生徒は進学進路や就職活動の業界選択に役立てたいと言い残していった。

6.将来にむけて

当社の運営するMGは、東京MGを補完する役目を果たしながら、全国から集まるMG愛好者が楽しく集えるよう運営したい。そのためには当社にも全国に誇れる強いプレーヤーを揃えたいものである。そして、当社のお客さまの若手経営者に情報提供できる機会創出の場として、MG活用に磨きをかけること ができれば幸いである。


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今回のゲストは浜松在住でMGのインストラクターをなさっている佐藤雅榮氏。

戦略的なデータベースソフト・マイツールの操作、研究については国内でも最高レベルの実力をお持ちの方である。マイツール関係の著書多数。MG研修中の講義として、マイツールの特徴と応用プログ ラムについて、約1時間にわたって理論講座をお願いした。

 


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