信用保証協会の保証制度が変りました

…責任共有制度の導入について…

本年10月から、金融機関と信用保証協会とが責任を共有する「責任共有制度」が導入されます。

信用保証協会の保証付き融資について、信用保証協会と金融機関とが適切な責任の共有を図り、両者が連携して中小企業の事業意欲等を継続的に把握し、融資実行及びその後における経営支援や再生支援といった中小企業に対する適切な支援を行うことを目的としています。

①責任共有制度の概要

中小企業が金融機関から事業資金の融資を受ける際、信用保証協会が保証人となる保証付き融資については、現在、原則として、融資額の100%を信用保証協会が保証していますが、19年10月からは、一部の融資を除き、金融機関が信用リスクの2割相当を負担することになります。

②責任共有制度の対象とならない保証

円滑な制度導入の観点から、小口零細企業保証制度や経営安定関連保険(セーフティネット)1号~6号、災害関係保険に係る保証等の保証制度については、当分の間、100%保証が維持されます。

小口零細企業保証制度とは従業員数が、製造業とは20人以下、卸・小売・サービス業は5人以下の会社および個人等を対象とした全国統一の保証制度で、本融資を含めた保証付き融資残高が1250万円以下であれば、100%保証となります。

③制度導入の時期

平成19年10月1日以降、保証申込を受け付けたもの(信用保証協会での受付処理日)から対象となります。

これまでの保証協会付融資は、一部を除き融資額の100%を信用保証協会が保証してきました。そのため、中小企業だけでなく、銀行にとってもありがたい制度でした。しかし、長期間の景気低迷が続き代位弁済(借り手が返済できなくなり、保証人である信用保証協会が代わりに、銀行に返済することです)が増加、この保証業務を行う資金もほとんどない状態だと言われています。

代位弁済が増加している理由は、信用保証協会が中小企業の資金調達を円滑にするための公的機関としての立場から、銀行と比べて審査が甘くせざるを得ないことや、融資金額の全額が保証されることから、信用保証協会の保証が得られたら融資をするといった初めから信用保証協会任せで、十分な審査を行わない一部の銀行にも原因があると思います。そのような状況であるため、信用保証協会だけでなく銀行にも融資実行に責任を持ってもらうため、保証の範囲を融資額の80%に見直し、残りを銀行がリスク負担することになりました。

銀行は100%安全だった信用保証協会の保証付き融資がこれからはリスクを負担することになりますが、それでも優れた保全手段であることには変わりありません。それに融資をして収益をあげなければなりませんから、保証付き融資を中心に取り扱っていくでしょう。

しかし、融資先の審査は厳しくなり、業績の悪い中小企業は融資をしてもらえないか、金利引き上げ等で条件が厳しくなってくるかもしれません。

 


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