次世代WEBで戦う売れっ子店長の秘密④ 最終回

たのもうや@武道具店 コミュニケーションで育っていくネットショップ

商品説明は工夫が肝心誰にでも分かる文章を

商品情報をお客さまが読んで「買いたい」と思って購入ボタンを押す瞬間まで商品に対しての興味が薄れないようにするカギは商品説明や「お客さまの声」で感じた期待感やお得感である。

お客さまが読む商品説明文はプロが流麗な文章で書いてもあまり心に響かない、と言われる。むしろ、何も知らない素人が商品の特徴を素人でも分かるように知恵を絞って言い方の工夫をした文章の方が何倍も効果的だと東海林店長は強調されていた。

実際、「たのもうや@武道具店」の商品説明は剣道を知らない社員が一生懸命に書いているのだという。熱心に取り組んでくれると、それだけお客さまが商品のことをよく分かる説明になっているのが効果として出ているとのことである。

販売力向上のヒントは売る側と買う側がお互いに分かる言葉でやりとりされる必要があるということでもあるようだ。

WEB2・0を積極活用情報を無駄なく素早く得る

インターネット界では「WEB2・0」という言い方をされるようになってきた。東海林店長もこのWEB2・0を先取りしてあらゆる可能性を試しておられる最中だ。

「WEB2・0」とはインターネットの仕組みやソフトのことを指しているのではなく、WEBサービスが高・多機能化し、単に見る(読む)だけの静的な情報提供から使う側の欲求に合わせた様々なサービスがリアルタイムで動的に提供されるようになってきた「WEBの進化段階」を分かりやすく示した言葉(概念)である。

ここ一、二年で特別なソフトや技術を持たなくても、ブログであらゆる人が自由に情報発信をすることができるようになったし、また、その場を核としてどんどん新しいスタイルのコミュニケーションが生まれている。
また、「ユーチューブ ※1」のように誰でも動画配信ができるような仕組みも出てきたので、インターネットに係るあらゆる人が「小さなジャーナリスト」となる可能性もある。

このように双方向での情報発信と活用が非常に安いコストで自由に使うことができる段階にシフトしてきたからこそ、インターネットショップで実現できることが新たに出てきたということである。

東海林店長が強調しておられたのは検索エンジン「グーグル」の著しい進化である。グーグルでは素早く目的とする情報にたどり着くことが可能なようにツールやサービスを充実させたことで、質の良い情報が提供される。

また、他人が何に興味を持ち、どのようなところから情報を得ているのか、そういった消費者の意識動向すらも無料でだれでも入手可能になった。従来であれば膨大な費用をかけて調査していたような情報がリアルタイムで手に入れることが可能になってきたことにより、営業の方法も大きく変化している。

これからのインターネットショップ運営にはこういった情報ツールやシステムを利用するスキル(情報リテラシー)が要求されてくる上に実際に人と会って得られる情報とネットから得られる情報とをバランスよく統合して素早く意思決定する「センス」と「機動力」が必要とされる。

東海林店長のネットショップ繁盛法則は次のように集約できる。

「情報収集と発信ではインターネットを効率よく使うことのできるツールを使いこなし、短時間で多くの効果を得ること。新規のお客さまを確保するためには実際の購買層の生きた声をダイレクトに把握することができる信頼関係作りが重要である。そして、得られた貴重な情報を基に迅速に行動し、ショップに反映させるよう常に動き続けること。」

動的な情報を双方向で活かすWEB2・0

No96_10343839インターネットの進化によって自分が得た情報を広範囲に発信ができるようになり、発信と同量かそれ以上の情報が入手できるようになってきたWEB2・0の時代は、情報を選別して自分で加工する時代とも言えるのではないか?

氾濫している情報を選別して積極的に利用できるかそうでないかでネットショップはもちろんのこと、実際の店舗運営でも売上げ拡大が図れるかどうかの分岐点となるのであろう。<連載おわり>

こちらの企業経営事例のコーナーは先進的な経営事例、人材育成を行っていらっしゃる中小企業の取材を行っています。取材希望がございましたら、編集部までご一報ください。

※1 ユーチューブとは?

アメリカの動画配信とコミュニティの無料サービス。会員登録すると自分が持っている動画データを自由に公開できる。
公開されている動画データにコメントを記入することができることから、ミクシィなどに代表されるようなソーシャルネットワーキングサービスの分類に入っている。

お問合せ先 044-811-1211


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