平成17年版「土地白書」②

第208回  財産承継研究会レポート

前回に引き続き国土交通省の平成17年度版「土地白書」より抜粋し、ここにご紹介いたします。

4.人口構造の変化と土地利用

少子高齢化や人口減少などの人口構造が変化していく中で、高齢者において日常生活や医療の利便性を重視する傾向にあり、これを受け企業の寮などから有料老人ホーム等への用途変更(コンバージョン)が多く行われている。また、人口減少が本格化するにつれ、都市部においても土地需要が減少する可能性もあり、低・未利用地に対する土地の保全・管理・防犯や環境などが今後の課題として考えられる。

5.魅力ある地域づくりと土地利用

地方都市においても、各種機能が整備されている街なかにおける住宅ニーズが存在している。既存ストックの有効活用、土地利用転換などの観点からも、中心市街地を活性化し、街なか居住などの定住人口の拡大が重要である。

また開発と周辺環境の調和など、質に着目した要求が高まっており、農地や森林についても、行政、地元・都市住民、NPO等の多様な主体により、棚田や里山林などの地域資源を活用し、保全する取組が各地で進められている。

6.適正な土地利用の実現のための課題と取組

透明性・公正性の高い市場の条件整備を進めていくために、
①地籍(土地の所有者、地番、地目、境界及び地積)は土地取引の円滑化や道路・下水道等の整備の円滑化に資するとともに、迅速な災害復旧にも有効であるため、地籍調査の推進を図っている。

②土地政策の目標が地価抑制から土地の有効利用へと転換されたことにより、事業用の定期借地権制度については、期間延長の要望が強く、このような課題について検討していく。

③土地の価格・物件の特性に関する情報などの整備・提供が重要であり、標準地の公示価格の判定に役立てるとともに、物件の特定ができないように配慮した上で、インターネットを通じて提供していくこととしている。

④不動産証券化は、金融市場との連動性が高いという特徴を有している。不動産証券の認知度・理解度の向上とともに、安定的な市場・収益情報の整備を図る必要がある。

⑤不動産鑑定評価制度は不動産市場を支える重要な役割を有しており、充実を図る。

記・財産管理業務部

国土交通省発行 平成17年度土地白書
最新版の資料は下記のURLからPDFファイルで
全文および概要をダウンロードすることができます。

http://www.mlit.go.jp/hakusyo/tochi/h17/h17tochi_.html

 


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