確定拠出年金

自分の年金を自分で作る

確定拠出年金法が成立しました。年金は今まで政府や企業に任せておけば、定年やしかるべき時期に給付される金額が保証されていました。

しかし、10年以上にわたる不況や低金利時代のなかで、年金を扱う生命保険会社の多数の倒産や企業年金の解散が相次いでいます。国民年金や厚生年金も財政破綻が噂され、年金掛け金の引き上げや、給付水準の引き下げなどで、年金に対する不安が増大しています。

こうした中で、国家や企業に依存するのではなく、自分の年金を自分で作る制度として「確定拠出年金」制度が10月から発足することになりました。

確定拠出年金制度とは

今までの年金は「いくら年金をもらえるか」金額を約束して、年金原資の運用は国や企業に任せてきましたが、確定拠出年金では、年金原資として毎月積み立てる金額を一定の金額の限度内で「いくら積み立てるか」「運用をどのようにするか」を一人一人自分で決めて“自分の年金を自分で作る”仕組みです。掛け金や利子・配当は非課税で60歳まで掛け続け、途中での解約や引き出しはできません。

確定拠出年金には、企業型と個人型とがあり、企業型は企業が退職金、退職年金の基金を従業員一人ひとり毎に拠出し、その運用を従業員個人が行います。個人型は国民年金の加入者(一号被保険者)と確定拠出年金制度を利用していない企業の従業員が掛け金を拠出してこの制度を利用することができます。

確定拠出年金のメリット、デメリット

メリット、デメリットの両面あるわけですが、個人型について限ってみれば、サラリーマンにとってのメリットは、自分の退職基金がいくらになっているか明らかになっていること、転職の有無に関係なく継続して積み立てられることなどがあります。自営業者にとっては新しい非課税の貯蓄・投資の道が一つ増えたことになります。

一方、デメリットは、受け取れる年金額が60歳になるまで確定しないこと、途中での解約が認められていないため、不時の支出に充てられないことなどがあります。

自営業者をはじめ、個人型の確定拠出年金に加入できる方にとっては、デメリットは少なく、将来の保証を確実に確保する新しい制度が一つ増えたと考え、積極的に利用すべきではないかと考えています。

正しい投資・運用の知識を身に付けましょう

日本の貯蓄、投資、投機、などについては、欧米の「Saving」「Investment」「Speculation」とは必ずしも一致していません。日本で言う「投資」は欧米の「Speculation」に対応していて、「Investment」に対応する内容をもった日本語は無いように感じています。

“自分の年金を自分で作る”確定拠出年金の時代に適応していくためには「Investment」=「投資」という正しい投資知識を身に付けていかなければならないのでないでしょうか。

(小川 湧三)

 


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