FPとして見た確定申告

確定申告のいろいろなタイプ

今年も大勢のお客さまの確定申告をさせて頂いた。今年はファイナンシャルプランナーとしての立場から改めて確定申告書を見ながら考えさせられものがあった。

確定申告を所得の内訳別に見て見ると、働くことによる所得を中心とするタイプ、資産による継続的な所得を中心とするタイプ、過去の蓄積による一時的な所得、臨時的な所得があるタイプなどFP的な観点から観察しながら確定申告もみるといくつかのタイプがあることに気付いた。これは最近読んだ「金持ち父さん、貧乏父さん」という本の影響を受けたのかもしれない。

金持ち父さん「三つのヒント」

「金持ち父さん、貧乏父さん」という本にはいろいろなヒントがあるが、その中から私なりに三つのヒントを選んで見た。

一つは、労働からの所得に頼らなくてもよいように若いうちから目標を持って、資産の形成を積極的に行なおうというものだ。

もう一つ考えさせられたことはローン付き住宅は資産の形成の手段とはみなさないで、若いうちの可処分所得を減少させ、資産形成の阻害するものとしていることである。住宅からは収入を得ることができず、ローンの返済のために人生の大半を消費してしまうことが多いから、というのがその理由である。

三つ目は財産形成の大きな障害は税金だから、法人制度を上手に利用し税制を有効に利用しようというものである。

金融資産からの所得にもっと目を向けよう

「金持ち父さん貧乏父さん」の基本的な考え方は、貯蓄や資産がいくらあろうと、それらが収入を生まない限り有効な資産とはいえない。投資や運用により資産から収入をあげ、労働による所得を超えるようになってはじめて、生活のためでなく自分の本当にしたい仕事をすることができるようになるし、老後になっても資産が働いて稼いでくれた所得でゆとりある生活が安心して過ごせるというものである。これからの新しい視点かもしれない。

今まで日本になかった投資(Investment)という考え方

私たちLR小川会計グループでは資産運用をスムーズに行なうために財産管理法人をお勧めしてきた。今までは投資というと、投資=証券売買(Trading)であったが、ビッグバン以来、ファイナンシャルプランナーは今まで日本になかった金融資産の長期投資運用(長期保有:Investment)という考え方についてお客さまの理解を深める道案内の役割を担っているのである。

これからの確定申告のタイプ

これからは不動産所得に限らず、不動産の証券化による所得区分の多様化や、働くことによる所得をストックオプション、株式交換、株式移転などにより「市場性ある株式資産」へ転換することなど、多様化への芽生えもいくつか出てきている。これから3-5年の間に確定申告のタイプも大きく変わってくるように予兆が見え始めている。

(小川 湧三)

 


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