未来への投資「人」が辞めない職場づくりのススメ
☆見過ごせない「退職コスト」のリスク
多くの中小企業が直面する最も重要な経営課題は「人材確保」です。従業員の離職は、新たな採用コストだけでなく、ノウハウの流出や生産性の低下といった目に見えない損失すなわち「退職コスト」を生み出します。従業員の退職が「人手不足」関連倒産の一因となるケースも指摘されており、人材の定着は事業継続そのものを左右する重要事項と言えます。
☆賃上げだけでは防げない人材流出
人材確保の手段として賃上げは重要ですが、2024年の春闘では大企業との賃上げ率の差が拡大しました。中小企業の労働分配率は既に高い水準にあり、報酬だけで従業員をつなぎとめるには限界があります。中小企業が人材を確保し定着させるには、賃金以外の魅力、すなわち働きがいのある職場環境の整備が不可欠であると考えられます。
☆社員の定着率を高める職場環境
従業員の定着に大きな効果をもたらすのは円滑な社内コミュニケーションです。また、AI活用を含むDXの推進が、人手不足に対応するための業務効率化と生産性向上に不可欠です。これにより創出された原資や時間は、「有給休暇などを取得しやすい職場づくり」や「労働時間の削減」、「福利厚生の充実」といった、従業員の定着に効果的な施策の実現を後押しします。
☆選ばれる企業になるための経営
人手不足が続く現代において、企業は従業員から「選ばれる」存在になる必要があります。
従業員に経営理念やビジョンを共有するだけでなく、業績や財務内容といった具体的な経営情報まで開示し、業務の属人化を防ぐ「オープンな経営」を実践する企業ほど、付加価値が大きく向上しているというデータが示されています。これは、従業員を、事業を共に創るパートナーとして尊重し、主体性を引き出す姿勢が、企業の成長を促すことを意味します。
さらに社員一人ひとりのライフステージに応じて休暇制度や手当を柔軟に整備するなど、個々の従業員に寄り添う経営の重要性も浮き彫りになっています。
このように従業員のエンゲージメントを高める環境への投資こそが結果として退職コストを抑制し、企業の持続的な成長を実現するための、最も確実な「未来への投資」となるのです。
《参考文献》
「中小企業白書 ― 経済産業省」

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