世界の年金制度ランキング

海外通信NO.95
世界の年金制度ランキング

2022年度版「マーサーCFA協会 グローバル年金指数ランキング」では、第1位アイスランド、第2位オランダ、第3位デンマーク、日本は対象37カ国中35位となりました。

この指数は、各国の公的年金制度の他、私的年金制度や個人貯蓄に関して

① 退職後の収入の高さ
② 将来にわたり長期的に制度が維持可能か
③ 民間の年金ファンド運営が確実に実行されているか

の3つの分野から評価を行い、それをランキングにしたもので、「その国で老後を迎えた時の、資金的余裕度合い」を見ることができます。

今回は1位となったアイスランドをご紹介します。

北欧にあり北海道と四国を合わせた程の面積の島国で、温泉やオーロラなど自然環境に恵まれています。

国内経済は2008年9月のリーマンショックをきっかけに、海外の投資家がアイスランドから一斉に資金を引き揚げたことで、アイスランドの通貨は大きく下落し、不動産バブルも崩壊、金融機関が次々と破綻し主要な銀行は国有化されIMF(国際通貨基金)に支援を要請する状況に至りました。

世界的な金融危機における大きなリスクのひとつがデフォルト(債務不履行)で、負債は納税者が負うケースが一般的です。アイスランドの場合は、【政治や行政、金融機関、メディアが無実の納税者に責任を負わせる愚かしい社会システム】に市民運動で異議を唱え、最大級の銀行を救済せずに破綻させる一方で、預金支払いを保証し、借金で苦しむ個人や企業に対しては一部債務免除を行うなど、政策を変更させることに成功しました。

金融危機後、自国通貨が外国為替市場で暴落し輸入物価が大きく上昇する一方で、

① 通貨安により輸出を拡大、観光業の回復により経常収支が大幅に改善したこと
② 電力をほぼ100%国内自然エネルギーで賄っていること
③ 国民の政治に対する意識の変化

により、2011年にはIMFの支援を卒業、わずか数年で自国経済を立て直し、現在に至っています。

誰もが満足できる完璧な年金制度は存在しません。アイスランドが市民運動により社会システムを動かしたように、私たち一人ひとりの意思によって、「安心して過ごせる」老後になるといえるのではないでしょうか。

【出典】マーサー「グローバル年金指数ランキング」(2022年度):https://www.mercer.com/ja-jp/about/newsroom/global-pension-index/

 

 

 

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