ポスト・コロナ時代を迎える国際金融市場

第380回 ロングリレーションズ倶楽部

ロングリレーションズ倶楽部 発足記念 特別講演
テーマ:ポスト・コロナ時代を迎える国際金融市場

講師

横浜日独協会副会長  向井 稔 氏
元UBSグローバル・アセットマネジメント 代表取締役副社長
元日本投資顧問協会 副会長

毎年この時期恒例となっております、国際金融市場について、ポストコロナ時代の政治情勢を交えながら、横浜日独協会副会長の向井稔氏にご講演いただきました。

新型コロナウイルスの発生から早2年が経過し、近い将来に有効なワクチンの開発、治療薬の経口薬化等の発明といったゲームチェンジャーの登場により、「世紀のパンデミック」がインフルエンザと同程度の風邪とみなされる時代は必ず来るといわれているため、これまでとは違い経済社会に与える影響は格段に減ることになります。

コロナ禍の深刻化と共に、世界各国では格差の拡大・社会の分断等の国内問題の深刻化が目立つようになりました。一方で国際政治の世界では、中国覇権主義の横暴の激化・米中間の対立構造の先鋭化・世界的な気象変動への警鐘の高まりと脱炭素社会に向けた莫大な経済的コスト負担の増加等、喫緊の課題としてクローズアッされるようになりました。

1980年代の経済社会において、新自由主義経済はバブル崩壊・リーマンショックにより、格差社会・中間層の崩壊をもたらしました。この反省から、格差拡大・貧困層の増大と相まって社会福祉的な国家観が強調され始め、社会システムの中で、国家介入の一定の役割が次第に期待され始めます。

そうした中で発生したのが、未曾有の「コロナパンデミック」です。社会全体が国家による強力なコロナ対策を期待し、その対応の良し悪しが政権の安定に直結することとなりました。

新型コロナウイルス感染は、社会に様々な変容をもたらしつつありますが、その例として「社会のデジタル化促進」です。経済社会の効率性を高め、省力化による労働生産性の向上など将来の経済成長を確保する「DX社会」の推進は経済界のみならず、教育の効率化や、介護現場の省力化などの分野に波及していくと考えられます。

一方で、コロナ禍が終息したとしても、これまで永らく国家から課せられ続けた強い行動制限や心理的抑制から、一気にコロナ禍以前の状況に戻ることは困難で、また行動形態を復活させるには道のりは長いと覚悟する必要があるでしょう。

 

 

ロングリレーションズ倶楽部

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