外国為替相場

昨年秋頃から原油高が話題となり、その要因として円安というキーワードが出てきました。

今回は外国為替相場の仕組みと影響を取り上げます。私たちの暮らしにどのような影響があるのか見ていきましょう。

1 為替相場とは?

「円」を外国の通貨に替える交換比率が外国為替相場です。

海外の物を買うためには、「円」を外国の通貨に替えなくてはならず、通貨間の交換比率は需要と供給によって決まります。

為替相場

2 円高・円安のメリット・デメリット

私たちにとっては、円高と円安どちらがいいのでしょうか?

メリットとデメリットを見ていきましょう。

円高・円安のメリット・デメリット

3 外国為替が与える影響

これまで日本では、円安が進むと自動車や電機など輸出企業が価格競争力を持ち、日本経済の追い風になるという見方が多くありました。しかし、国際競争力のあるモノづくりの拠点の多くは、コストの安い東南アジアなどにシフトしており、貿易面での円安メリットは教授しにくくなっています。

円安と資源高

石油、電力、ガスなどのエネルギー資源の多くを輸入に頼っており、円安により調達コストが上がると、企業・家計も多くの影響を受けます。

また、食料自給率の低い小麦粉・大豆・食用油などの食料品も、円安により高くなります。

国内での売値に転嫁すると、家計に影響しますが、国内での売値に転嫁できないと、企業収益に影響を及ぼすことになります。

いずれも、生活に欠かせないものであるため、これらの資源を買い入れるには多くの外貨を準備しなければならず、円を売ってドルを買う動きが強まり、円安ドル高が進みやすくなるのです。

円安で増える海外からの利息・配当

日本は世界最大級の対外純資産国です。2020年末の資産から負債を引いた純資産残高は、[証券投資 99.8兆・直接投資 166.3兆・外貨準備 144.2兆]となっており、経常収支は17兆円を超えています。2020年末は1ドル103円台でしたが、2021年12月には113円台と円安になっており、2021年度はさらに増える事が予測されます。実は日本は、資本を輸出し利息や配当で黒字を稼いでいると言ってよいでしょう。

4 外国為替が動く要因は?

外国為替が動く要因をドル円の場合で見てみましょう。

⒈ 各国の金利差 ドル円の場合

ドル長期金利の上昇がすすみ為替相場でドル高が進むと、日米金利差が拡大し、円からドルへ投資資金がシフトします。

ドル金利が上昇し日米金利差が拡大する ➡ 円安ドル高

ドル金利が低下し日米金利差が縮小する ➡ 円高ドル安

円キャリー取引

日本の銀行から超低金利で円を借りて外貨に換え、高金利通貨で投資し、一定期間経過後に売却してその対価により資金を返済し、差額により利益を得るしくみ

⒉ 世界的な株高・株安

政治や経済など様々な要因によって世界的に不安が高まり株が売られます。その際に安全資産が買われ、高リスク通貨が売られます。

継続的に経常黒字を出しているスイスフランや円は安全通貨の代表と言われています。

しかしながら、2021年に入り、ドル安なのに円高にならない場面が増えています。コロナウイルスへの対応、資源価格の上昇と富の流出、景気後退のサイン、日本の政治への失望などが要因となり、「避難通貨」としての地位から転落しつつあるかもしれません。

5 外貨をどう持つか?

資産を守るためにはどうしたらよいでしょうか?

円安の場合は、外貨資産を保有していれば、資産の目減りを防ぐことができます。反対に円高の場合は、円資産を軸に、円安に備えてリスク分散で外貨の保有を増やしましょう。

通貨分散

円も外貨も併せて持つ事が大事ですが、特定の通貨に偏るとその国の通貨リスクを負う事になるので、通貨も分散させて持つ事が大切です。

米ドル・ユーロのほか、資源国の豪ドル・カナダドルなど

時間分散

時間分散も大切です。為替は日々変動するので、一括投資ではタイミングリスクがあります。ドルコスト平均法を使い、定時定額投資がおすすめです。

資産分散

様々な経済環境でも資産を守るためには、通貨や株式などの有価証券だけでなく、不動産や金などの実物資産など、分散して持つ事が有効です。

まとめ

計算

為替というとドル円が中心となりますが、金融緩和による財政への懸念からドル・円とも売られる場面もありました。ビットコインなどを代表とする暗号資産は、2020年から6倍になりました。これは、日本円・米ドルといった通貨への不信の表れかもしれません。

円高の時に外貨に替え、円安の時に外貨を円に戻すのがセオリーです。しかし円高・円安どちらにもメリット・デメリットがあります。どちらかに進んだ時に、それを補完するため、円資産だけでなく、外貨資産も保有しましょう。

 

 

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