電子帳簿保存法

電子帳簿保存法は、大きく、2つの制度を定めた法令といえます。

1 国税関係帳簿書類

税法上、保存が義務付けられている紙の帳簿(仕訳帳・総勘定元帳・補助元帳など)や書類(契約書・損益計算書・貸借対照表・請求書・見積書など)について、一定の要件のもとで、電子データやスキャンデータを代わりに保管することを認めている、というものです。

2 電子取引

税法上は、保存が義務付けられていない電子取引のデータについて、保存義務を定めているというものです。

法人税法では、書面でやり取りされた書類のみ保存義務が定められているところ、電子帳簿保存法において、書面ではなく、取引においてデータでこれらの取引情報をやり取りした場合には、取引のデータを保存するべき、というものです。

国税関係帳簿書類は事前承認が必要になります。

承認申請書には、帳簿の種類、備付けを開始する日、保存場所、帳簿の作成・保存に使用するシステムやソフトウェアの概要などを記載します。原則として、承認を受けようとする帳簿の備付けを開始する日の3カ月前までに、所轄税務署長に提出する必要があります。

また、紙で受け取った請求書などを電子データとして保存したい場合は、「国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請書」を提出する必要があるのでご注意ください。

しかし、今回の改正(令和3年度税制改正大綱)によって導入の3カ月前に承認に必要な書類を提出しなくてもよくなります。

これまで、電子帳簿保存に乗り出す場合、電子化する証憑の決定から最低半年から1年程度の期間が必要でしたが、国の基準を網羅したスキャナや会計システムなど、電子帳簿保存法に対応した機器を準備したらすぐに電子保存が可能です(令和4年1月1日以後)。

昨今、テレワークの実施が進み、バックオフィスの業務を効率化するために、紙ではなくデータで保存することのニーズが高まっているといえます。今まで、電子取引のデータを紙に出力して保存する運用をされていた企業が、バックオフィスの効率化のために、改正された制度を利用して徐々に電子データのまま保存する体制に移行することをご検討してみてはいかがでしょうか。

 

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