第39回 テレワークの具体的導入準備

情報セキュリティ連載
第39回 テレワークの具体的導入準備

緊急事態宣言再発出でテレワーク環境の(再)構築をしましょう

テレワーク

2021年1月7日に新型コロナウイルス再拡大により「緊急事態宣言」が再発出されました。政府より人の接触を避けるためテレワークの導入も各企業に再要請されています。

今回は、原則無料サービスを利用して簡易にできるテレワーク環境の構築についてご紹介いたします。業務用途に応じて構築ご利用いただければと思います。

テレワークを行う上で下記の3項目の準備が必要となります。

⒈ 勤怠管理ツール
⒉ 社員が自宅でテレワークに利用するパソコン
⒊ 作業資料のデジタル化

1 勤怠管理ツール

まず、勤怠管理については無料の勤怠管理クラウドシステムがいくつか提供されています。弊社では「King Of Time」を利用しています。ブラウザから出勤・退勤を打刻することもできますのでテレワーク出勤者の勤怠を管理できます(30日間無料です)。その他、期間なしで無料で利用できるクラウド管理システム「IEYASU」などいくつかあります。

テレワーク出勤者の在席確認について

在席状況についてはWeb会議システムのWebカメラをつけて在席状況の環境を確認する方法やグループウェアシステムを導入することで確認することができます。

★ Webカメラで在席状況を確認する場合

Google社が提供するGmailの機能に「GoogleMeet」というWeb会議システムがあります。こちらのWebカメラ機能をOnにするとテレワーク出勤者の在席状況を確認することができます。会社のパソコンのWebカメラ機能をOnにすればテレワーク出勤者が出社している人の状況が把握できます。背景をぼかしたり好みの写真に変更することも可能なので一定のプライバシーを保つことが可能です。

★ その他の方法で在席状況を確認する場合

カメラで姿が映るのに抵抗のある場合には、グループウェアの機能を利用する方法があります。

NIコンサルティングが提供するグループウェア「NI Collabo360」には定期的にランダムで社員がPC上で仕事をしていることを確認する機能があります。具体的には在席しているかどうかの通知画面がテレワーク勤務者のPC元画面に送信され、テレワーク出勤者が表示画面の確認ボタンをクリックすると在席していることが返答されます。

NI Collab360にはスケジュール管理や日報システムなどの機能も充実しています(30日間無料で利用できます)。

テレワーク出勤者のケアを忘れずに

テレワーク出勤者は、思いのほか孤独を感じるケースが多いものです。ビデオ通話やチャットを送るルールを策定し、管理者や同僚が積極的にビデオ通話やチャット上で会話することが重要です。

2 社員が自宅でテレワークに利用するパソコン

テレワーク出勤者にノートパソコンを提供してください。出来ない場合にはテレワーク出勤者のパソコンを利用する形になります。

どちらの場合にもセキュリティ上のルールを策定することが必要となります。万全にするためには様々なチェック項目が必要になりますが、緊急事態宣言下では下記の2点が必要最低条件です。

•搭載しているパソコンのOSが最新状態であり、アップデートがあれば自動更新がされる状態であること

•windowsの場合、セキュリティソフトが導入されているので、ウイルスの定義ファイルが自動更新される状態であること

★ 自宅パソコンから社内パソコンへの接続について

接続には2つの方法があります。

1つはGoogleが提供する「Chromeリモートデスクトップ」です。Gmailアカウントで接続管理できるので、管理者用のGmailアカウントを作成して、テレワーク出勤者の会社、自宅の各パソコンに設定すれば、管理者側で誰が接続しているかが確認できます。

もう1つは独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)とNTTが提供する「シン・テレワークシステム」です。こちらはVPNという技術を利用していますので、画面周りや操作性はリモートデスクトップよりも利用しやすいツールとなっています。

(詳しくはほっとタイムス№258「ほっとタイムス第35回 テレワークの具体的導入準備」をご参照ください)

3 作業資料のデジタル化

実際の業務においてネックとなるのは紙資料のデジタル化です。

テレワークをしていて起こりがちなのが、紙資料を電子化し忘れて業務に支障をきたすというものです。そうならないために、スキャンする資料のルールを作成すると共に、会社でスキャンする担当を(当番制にするなどして)決める必要があります。

紙資料の電子化についてはPDFが有名ですが、加工編集する場合には有償ソフトを利用する必要があります(無料でできるWebにアップロードするタイプのものがありますが、セキュリティ上避けた方がいいと思います)。

弊社ではPDFではなく、富士ゼロックスが提供する「DocuWorks(ドキュワークス)」を利用しています。こちらは電子化された文章の切取りや貼付けなどの加工や印鑑や付箋などのスタンプ類も充実しており、非常に便利なツールです(60日間無料で利用できます)。加工編集が容易なのでテレワーク下で資料が持ち出せない状況で業務効率を上げるツールとなっています。なお、電子化資料を利用する場合にはパソコンにモニターを追加して2画面にすると業務効率は上がります。

以上、テレワークに必要なツールのご紹介でした。テレワークは新型コロナウイルスの感染を避けなから業務を続けるための強力なツールです。紹介させていただきましたツールにつきましてはご相談に乗れますので、深堀までご連絡ください。

 

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