『遺産分割の諸問題』&『相続開始時の手続き』

第369回 財産承継研究会

令和2年7月10日より、法務局で自筆証書遺言書保管制度が始まりました。遺言書の紛失や隠匿等の防止になり、遺言制度の要件緩和に続き遺言制度が使いやすくなってきました。

そこで今回は、税理士の小野寺美奈氏にどのような遺言書を書くとどのような問題が発生するかという事例を基にお話いただきました。

♥有効な遺言書がある場合に考えられる問題点

〈遺留分侵害額請求〉

遺留分とは、亡くなった人の兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる最低限度の遺産取得割合です。法定相続分の半分を相続財産取得者に請求することができます。そのため、例えば、財産の全てを相続人1人に相続させた場合、他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があります。

〈贈与税課税〉

遺言通りではなく、遺産分割協議により遺産分割をする場合に贈与税がかかることがあります。

不動産登記後に遺産分割をやり直すなど、一旦相続取得した財産を他の相続人に無償で所有権を移転すると贈与税の対象となります。

♥遺言書がない、または、遺言書が無効だった場合に考えられる問題点

〈遺産分割の長期化〉

遺産分割が決まらない場合でも申告期限までに相続税の申告は必要になります。

未分割による相続税申告は、特例を受けることができないため、最も高い税額を法定相続人が法定相続分で負担します。

分割が決まり次第、相続税の申告をやり直すことになります。

遺言書がある場合でも揉めるケースはあります。

相続発生前に話し合いをしておくことや遺言書を作成する場合には、法的には効力はありませんが、付言事項を積極的に利用し、遺言の経緯等を記すことで、遺言者の意思が紛争の種とならないようにしましょう。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2020年12月11日(金) 16時00分~18時00分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 

 

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