令和2年度税制改正によって、居住用建物の取得等に係る、消費税の仕入税額控除制度の見直しがされました。

♥従来

居住用賃貸建物

住宅の家賃収入は非課税売上げであり、住宅として貸付けを行う建物(居住用建物)を取得した場合は、非課税対応仕入れとなり、本来仕入税額控除を適用することができません。

しかし、家賃収入以外で、例えば店舗や事務所等の課税売上がある場合、居住用の建物(非課税対応仕入れ)だとしても、その取得金額を、全額・もしくは一部について仕入税額控除の適用を受けることができていました。

♥税制改正後

令和2年度税制改正により、居住用建物の取得等に係る消費税の控除の見直しがあり、住宅の貸し付けの用に供していないことが明らかな建物以外の建物(居住用建物)で、高額特定資産に該当するもの(一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産)の課税仕入れについては、仕入税額控除の適用を認めないこととされました。

なお、居住用賃貸建物のうち、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分(事務所や店舗など)については、当該控除の対象とすることができます。

これにより、店舗収入や駐車場収入等の課税売上があったとしても、居住用建物の取得等に関しては、仕入税額控除が適用されず、消費税還付ができないこととなりました。

ただし、取得してから3年以内に、住宅の貸付け以外の貸付けや、売却した場合には、3年間の実績に応じて仕入税額控除を受けることができます。

♥適用時期

令和2年10月1日以後に仕入れを行った居住用賃貸建物について適用になります。ただし、令和2年3月31日までに締結した契約による仕入れについては、適用しないこととされています。

例えば、居住用建物の引き渡しが令和2年12月31日だったとしても、契約締結日が令和2年3月31日以前であれば、居住用建物であっても、仕入税額控除の適用を受けることができます。

 

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