海外通信NO.61 イギリス_個人向け資産形成支援制度
イギリスでは、早くから高齢化が進み、年金制度が見直されてきました。
そんな中で、「資産形成全般を支援する」ことを目的に資産形成支援制度が創設されました。公的年金の給付額を抑え、一部を私的年金で蓄えられるよう支援する制度です。
その中にISA（IndividualSavingsAccount）個人貯蓄口座や確定拠出年金があります。ISA制度は1999年4月に導入され、日本のNISAはこの制度をモデルにしています。加えて2017年4月から住宅取得や老後資金の貯蓄口座としてボーナス付きの積み立て支援制度ライフタイムISA（LISA）も増えました。
【ISAの特徴】
①株式型ISA ②預金型ISA
運用方式：①株式や投資信託用 ②預金やMMF用
利用可能な者：①18歳以上の居住者 ②16歳以上の居住者
※18歳以上の居住者であれば、両方（2口座）を持つことができる。
非課税枠：①②などの合計額20,000ポンド
投資可能期間：恒久
非課税期間：無制限
【LISA】
用途：初めての持ち家購入及び退職に向けての貯蓄・投資
運用方式：株式・投資信託と、預金やMMFなど
利用可能な者：18歳以上40歳未満の居住者
非課税枠：年4,000ポンド・ISA全体の合計額20,000ポンド
投資可能期間：50歳の誕生日を迎えるまで
補助金制度：政府が拠出額に25％を上乗せ
50歳になるまで最大で年間1,000ポンド
日本のNISA利用率は12.7%、1人当たりの非課税利用額が約129万円（2019年9月時点）、これに比べてイギリスのISA利用率は42.5%、1人当たり約400万円（2018年4月時点）と高くなっています。
イギリスでは
①ISAは引き出しに制限がない為、教育資金や病気など急な出費の備え
②年金は退職後の生活を補てん
③家の新築購入に備えてLISAで準備
④配偶者がISA口座の資産を相続した場合、自分のISA口座で引き続き保有することができ、利息・配当・売却益などを非課税のまま引き継ぐことができる。
このように自分の目的に合わせて公的制度を選択利用するのが一般的なようです。
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