倒産防止共済 2種類の処理方法

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは、取引先の倒産によって連鎖的に中小企業が倒産または経営難に陥らないようにするために作られた共済制度で、取引先企業が倒産した時に、無担保、無保証でまとまった額の資金を借入れることができるものです。

さらに掛金の全額を損金にすることができ、1年分の掛金を一括納付して決算直前期にまとまった損金を生み出すこともできます。しかし、全額損金になる代わりに、解約した場合、全額益金(収入)算入になるので解約時期には注意が必要です。

そんな倒産防止共済ですが、掛金を支払った時の会計処理には2種類の方法があり、それぞれ状況に合った処理方法を選ぶことができます。

1 費用として処理する方法

掛金を、仕訳の時点で経費として計上する簡易的な方法です。ただし、支払いの度に費用として処理するため、後から積立総額を把握することが決算書上は困難になるという点があります。

2 保険積立金として資産計上する方法

会計処理の段階で費用とするのではなく、保険積立金として資産計上し、法人税申告書で損金にするという方法です。

この方法を選択すると、共済の掛金の上限である、800万円が払い終わった後でも資産計上されているので、備忘録代わりにもなります。

また、資産として計上することによって、決算書上の当期純利益や繰越利益剰余金が増える、といった点があります。決算書上で余剰金が多いということは、それだけリスクに対して準備していることが目に見えて分かり、様々なメリットに繋がります。

どちらの会計処理を選んでも、支払う法人税は変わりませんが、決算書が大きく変わります。これから倒産防止共済の加入を考えられている方や、もう既に加入されている方は、一度自社にとって最適な会計処理はどちらなのか、検討してみてはいかがでしょうか。

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