異常気象

COP25

スペインのマドリッドでCOP25(国連気候変動枠組条約第25回締約国会議)が開催された。この会議については直前に二酸化炭素の世界最大排出国であるアメリカのトランプ大統領が脱退をしてしまった。

これと対照的にスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんがこの会議に出席するために二酸化炭素排出量の多い航空機を使わずに3週間かけてヨットで出席することが話題になった。

危機を感じてどう行動するかは人それぞれだが、便利さを追い求め航空機を開発し、その利便性を享受してきた大人たちと、北欧の氷山、氷河の融解を直接肌に感じている、自分たちの未来に襲ってくる危機に対して敏感な子供の代表であるグレタ・トゥーンベリさんの行動は全く異次元の感覚である。

危機感に基づく行動も大切だが、人類の歴史は「火」=エネルギーをコントロールしてきた歴史でもある。

森林火災を見れば火の怖さがわかるし、福島の原子力発電事故を見れば原子力エネルギーの怖さもわかる。地震による津波の怖さも、風水害の怖さも近年の自然災害を見ればわかる。

災害が起こればそれを克服すべく人智を尽くして対策をたて被害が少なくなるように備えてきたのが人類の歴史である。

今年、リチウムイオン電池を開発しノーベル賞を受賞された吉野彰氏は受賞記念講演で、「持続可能な社会」に貢献できる旨の講演をされた。「火」=エネルギーをコントロールする道が一つ開けたのである。

昨年の台風

昨年の台風15号、19号、21号は関東、東北地方を襲い、甚大な風害、水害をもたらした。第15号の風害、第19号の堤防決壊などによる水害や甚大な被害状況などが明らかになってきており、降雨量がもう少し多ければさらに被害が広がったのではないかとも想定されている。

いま、これらの遠因がCOP25で討議されている異常気象による気候変動の表れであるといわれている。

NHKは東京直下型地震のシミュレーションを一週間にわたって放映し、自然災害の恐ろしさと対策の重要性を放映していた。

有限の地球

地球は有限である。それは紛れもない事実である。58年前ソ連の宇宙飛行士ガガーリンが宇宙船から丸い地球を見て「地球は青かった」といったあのテレビ映像を見た時「地球は有限の閉鎖社会だ。これからは鎖国時代を経験した日本の江戸時代が有限の地球のモデルになるのではないだろうか」と感じたことを思い出している。日本という狭い囲いの中で300年人口3000万人の静止社会の中で江戸文化を開花させた日本の閉鎖社会が地球生活のモデルになるのではないかと感じたのである。

経済の異常気象

ゼロ金利、マイナス金利が発生してから久しいが、ゼロ金利、マイナス金利は自然におけるオゾン層の破壊のように、経済活動における異常現象であり、経済生活を破壊してしまうように感じるのである。

経済も循環している。春夏秋冬の季節による循環はもとより、キチン循環、ジュグラー循環、クズネッツ循環、コンドラチェフ循環など性質の異なる様々な循環があり、絶えず動いており、一瞬たりとも静止していないのである。

冷戦終結後30年、開発途上国の発展、中でも中国が世界第2位の経済大国になるなど世界のグローバル化が急速に進んできた。

さらには、GAFAに代表されるIT革命が急速に進み、イギリスの蒸気機関による産業革命にも匹敵するグローバル革命が起きている。暗号通貨が出現し、フェイスブックが提唱する「リブラ」が通貨や金融制度に大きな変革をもたらそうとしているのもその一つである。

膨大な人口を抱える新興国の台頭、量子コンピュータの開発などITテクノロジー革命など人間が制御不能になりかねない現象が起きている。このほか、太陽の黒点活動や、隕石の衝突など、経済に影響を及ぼす要因は大小数え上げればきりがない。

改元2年のジンクス

昭和2年の昭和金融恐慌、後期昭和2年(昭和21年)の預金封鎖、デノミ、財産税、ハイパーインフレ。平成2年の株式大暴落など改元2年目のジンクスがある。金利が消えかけて経済のオゾンホールに大きな穴が開いた状態の日本経済、新年早々ではあるが令和2年、経済の異常気象が吹き荒れないように願うのである。

税理士法人LRパートナーズ
代表社員 小川 湧三

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