パーソナルファイナンス⑧

クローバー通信 No.170
パーソナルファイナンス⑧ 

ライフプランを作成しよう

パーソナルファイナンスも8回目を迎えました。

このテーマで一番の根本となるライフプランについて取り上げます。

自分と家族の将来についてイメージし、実現するためには、家計や資産運用をどのようにしていけばよいか考える土台となります。

各個人や家庭によってライフプランは千差万別です。

大きな夢もささやかな幸せも、まずはイメージを形にしていきましょう。

ライフプランとは、将来どうしたいかという生涯の生活設計図

ライフプラン表を作成する上で、必要な情報と手順を見ていきましょう。

1 年間の収支を把握しよう

⑴ 毎月の家計を把握する

[収入]

定期的な収入:給与・年金・手当・不動産収入など

[支出]

住居関連費:ローン返済、固定資産税、管理費など
保険料:生命保険、傷害保険、火災保険など
子ども関連費:学費、塾・習い事、おこづかいなど
貯蓄・天引き:保険以外の積立金など
基本生活費:収入から①〜④の項目を除いたすべて
(光熱費・通信費・食費・消耗品・被服・娯楽費・おこづかいなど)

⑵ 一時的な収入や季節ごとにかかる費用を把握する

一時的な収入:退職金・保険金など
毎月の家計とは別に、季節のイベントなどでかかる費用
帰省費用、お中元・お歳暮、人間ドックなど

⑶ 資産と負債を把握するバランスシート

バランスシートとは、資産と負債の残高の一覧表です。

資産から負債を引いたものが純資産であり、家計の健全性をチェックすることができます。

特に負債がある場合は、資産以上に負債がないか、収入が減った場合に対応できるかなど、大きな買い物をする際には確認しましょう。

バランスシート

2 ライフイベント表を作成しよう

自分と家族のライフイベントを時系列に書き出していきましょう。

[家族情報]

◎家族構成(家計を同じくする人)
◎年末時点の年齢

[イベント]

何歳の時に予定しているか、どんなプランを考えているか?

本人:就職・結婚・転職・独立開業・定年退職
子ども:出産・進学・留学・就職・結婚
住居関連:住宅購入・引っ越し・リフォーム・買い替え・セカンドハウス
その他:旅行・車の購入・家電購入

決まっているイベントに、将来どうしたいか、実現したい夢のプランなど書き加えてみましょう。

3 ライフイベントにかかるお金を調べてみよう

住んでいる場所、慣習、本人の希望などによりかかる費用は大きく異なります。

具体的にイメージして、金額を調べた方がより現実的なプランになります。

※参考データ

結婚:結納・婚約から挙式・新婚旅行にかかった費用総額約463万円
出産:出産費用の総額約51万円
住宅購入:平均購入価格建売住宅約3,340万円マンション約4,270万円
教育費:幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合約993万円
老後生活費:高齢夫婦無職世帯の支出約26万円/月
介護費用:介護保険受給者1人当たりの使用額約16万円/月
日本FP協会主なライフイベントにかかる費用の目安より
http://jafp.or.jp/know/lifeplan/indication/

4 キャッシュフロー表を作ろう

現在のデータをもとに将来のライフイベントを盛り込み、家計収支をシミュレーションします。

上記を参考にして、イベントを数値化して組み込みましょう。

基礎データ

1年収・社会保険・税金など:源泉徴収票
2年金の受給開始年齢と金額:ねんきん定期便
3加入保険の情報:加入の保険証券
4金融資産残高:保有する預金・債券・株式・投資信託などの明細
5現在の家計費の内訳

作成の手順

基本となる昨年度の年間収支を記入します。

[収入]:給与収入や年金、その他の定期収入や一時的な収入も。
[支出]:毎月の家計と一時的な費用を項目ごとにまとめましょう。
[年間収支]:収入から支出を引いて計算します。
[貯蓄残高]:昨年の貯蓄残高に当年の年間収支を足して計算します。

数値が実態と合っているか確認しましょう。

イベントごとに作成

家計を大きく左右するライフイベントの際には、その都度キャッシュフロー表を見直しましょう。

問題点が浮かび上がれば対策も立てる事ができ、漠然とした不安が解消されます。

誰が作る?専門家vsライフプラン作成ツール

具体的なプランや目標があるなら、FPなど専門家に。問題点の把握やそれに見合う対策についても相談できます。何となくイメージができればよいというなら、様々な機関から出ている無料のツールを利用したり、エクセルを使い自分で作成する事も可能です。
〈参照〉日本FP協会http://jafp.or.jp/know/fp/sheet/

キャッシュフロー表のチェックポイント

◆年間収支が大きくマイナスになる
◆継続してマイナスになる

これらの場合は、イベントの時期や予算の見直しを検討しましょう。年間収支がマイナスでも、貯蓄でフォローできるなら問題ありません。

継続的なマイナスの場合は、支出の見直しや、収入アップの道を検討する必要があります。実態より貯蓄が多く計上される場合は、「なんとなく消費」が計上されていない可能性も。

また、「家計の日々の努力」「貯めてから使う仕組み」「資産運用方法」などの実践により大きく改善する可能性があります。

まとめ

昨年7月厚生労働省より発表された平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳です。84歳の知人が「まだまだ元気だからこの先(10年以上?)お金が心配」と言っていました。どこまでのライフプランを考えていくべきでしょうか?90歳以上生きる確率は1/4です。ぜひ100歳までシミュレーションしておきましょう。

老後2000万円問題は、誰もが当てはまるものではなく、どう過ごすかによるものです。ゆとりある生活を送るなら相応の資産形成・自助努力を、年金に頼るならその範囲内で生活する工夫をする必要があるという事ではないでしょうか。

あなたはどのように過ごしたいですか?

ライフプラン作成には、ライフイベントや日々の家計の把握が欠かせないため、大変だと思われるかもしれませんが、条件はそれぞれ異なり、誰一人として同じではありません。だからこそ漠然とした不安を解消するためにもライフプランを作成し、その上で、楽しく節約生活を送るも良し、収入アップを目指すのも良し、家族で共有して乗り切っていきましょう。

 

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