有休取得義務化への具体的対応

4ページの特集で説明しています年次有給休暇(有休)の取得義務化についての対策を具体的に説明します。

1.罰則付きの改正

今回の改正では、罰則が設けられており、最大で1名につき30万円の罰金が課せられる可能性があります。

しかし、単に法改正への対応に留まらず、人手不足対策としての重要性も高くなっています。統計では有休の取得率が高い職場ほど、入社3年後の在籍率が高いというデータがあります。(労働政策研究・研修機構(H27)他社が対応する中、出遅れるとさらなる人手不足へとつながりかねませんので、積極的に対応していくべきです。

2.対応の具体的業務内容

有休の取得義務化に対応して行わなければならない業務は、

①期限を迎える前に、有休の取得数を把握する。
②取得数が5日に満たなくなりそうな場合に有休を取得させる。

の2つとなります。

3.取得数の把握を容易にする方法

そうすると、まずは有休の付与日から1年度となる前に、各従業員の有休の取得数を把握することが必要になります。

有休の付与日が法定どおり入社半年後となっている場合、従業員ごとに有休付与の日から1年後の日付は違いますので、有休の取得数を把握する業務の作業回数が増え負担が重くなります。また取得時期を指定しなければならない場合も、大変煩雑になります。これを回避するため、有休の付与日を全従業員について揃えてしまうということが可能です。

これを有休付与の「斉一的取り扱い」といい、有休の管理を一律に行うため全社員統一の付与日(基準日)を設ける方式のことです。たとえば、入社日に関わらず有休の付与日は、4月1日とするといった定めをすることを言います。

しかし、あくまでこの斉一的取り扱いでは、法律を下回ることはできません。付与日を統一するのであれば、付与を前倒し行なうこととなります。したがって法定どおりに付与した場合より、早く有休を付与される人が出てきます。年1回の基準日に統一すると11カ月も早く有休を与えるため、年2回の基準日を設定する場合もあります。

今回は、斉一的取り扱いしかご紹介できませんが、対策はさまざまあります。現在の取得状況や有休に関する組織風土を把握し、自社にあった対応策を考えましょう。

 

 


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