平成30年度税制改正のあらまし(相続関連を中心に)

第344回 財産承継研究会

平成30年度 税制改正のあらまし(相続関連を中心に)

講師
税理士法人LRパートナーズ 税理士 新富 達也

◉ 相続関連を中心に民法の大型改正について

自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度創設

昨今では、生前に身辺を整理する「終活」がブームになるなど、相続トラブルを未然に防ぐため預貯金・不動産といった財産を誰に渡すかなど記した遺言書を作る人が増えてきました。

その中で自筆証書遺言は、公正証書遺言とは異なり、作成後は自分で保管するので、遺言書が紛失し、又は相続人によって隠されたり、変造される恐れがありました。

今回の改正によって、民法第968条に定める方式により、遺言書の保管を法務局に申請することができるようになりました。遺言者は保管している法務局に対して遺言書の返還、閲覧を請求することができます。

また、相続人の一人が閲覧や写しの交付を請求した場合は、他の相続人にも保管の事実を一律に通知するなど、自筆証書遺言を確実に保管し、相続人がその存在を把握することのできる仕組みが確立されつつあります。将来は遺族の死亡後に自動的に通知するシステムも検討されているようです。

相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

現行法上では、被相続人の生前に同人に貢献したことを、相続において考慮する制度(寄与分)は、相続人にのみ認められ、相続人以外は寄与分を主張することができず、また何らかの財産の分配を請求することもできませんでした。

今回の改正により、被相続人に対して無償で介護をしたり、生活費を負担、家業を手伝うなどし、被相続人の財産の維持、又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(特別寄与者)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを、請求することができるようになりました。

特別寄与料の支払いについて、当事者間で協議をすることができないときは、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6カ月を経過した時、又は相続開始から1年を経過した時は、この限りではありません。

 

♥ 次回の財産承継研究会の開催日 ♥

2018年6月22日(金) 18時30分~20時30分

☎044-811-1211(石井・駒まで)

お申し込みは こちら

 


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