海外通信NO.38
世界のキャッシュレス事情 紙幣編
紙幣の一部分が透明で肖像画が描かれている、イギリスのプラスチック紙幣を手にしました。
日本の紙幣は、三椏（ミツマタ）とマニラ麻を原材料とする紙でできていますが、海外では1988年にオーストラリアで最初に発行されて以来、プラスチック紙幣が流通しており、現在は記念紙幣も含めると世界25カ国以上で導入され、7カ国が「全紙幣がプラスチック製」となっています。
開発された背景は、「カラーコピーの飛躍的な性能向上に伴う偽造」が懸念され、紙幣のセキュリティを高める必要があったためです。
プラスチック紙幣は、偽造されにくく、コストが安く、汚れを拭き取りやすく、洗濯機で洗うこともでき、従来の紙の紙幣と比べて寿命が2.5〜5倍ほど長くなると言われています。リサイクルも可能だそうです。
欠点は、紙のように簡単に折ることができない、滑りやすい、熱に弱い事。また、導入したばかりの国では紙素材と併用することになり、自動販売機やATMなどの機械が対応していない場合も多いそうです。そのため紙幣はあまり持ち歩かずにデビットカードで決済をする人が増え、キャッシュレス化の要因の一つになっていると言われています。
日本の紙幣は世界の中でも極めて偽造される事が少ないのですが、技術の進歩とともに日本もプラスチック紙幣になる時がくるかもしれません。
【参考文献】http://www.afpbb.com/list/info/copyright/
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