参考指数と活用方法について

証券取引所クローバー通信 No.154

投資を行う上で、参考にするとよい指数があります。
指数とはどんなものか、どう活用したらよいのかについてみていきましょう。

1 指数:インデックスとは?

日経平均株価など、株価指数・債券指数・物価指数といったものの総称です。市場全体または特定の分類の銘柄の動きを計算したもので、その上げ下げで市場の動向を読むことができます。売買のタイミングや組み入れ銘柄などの参考に使われています。

2 代表的な指数

国内株式

◆ 日経平均株価(日経225)

東証1部上場の2,000社近くの企業の中から日本経済新聞社が選んだ225社の株式価格を平均した株価指数。株価の高い銘柄の動きに左右されます。

◆ TOPIX 東証株価指数計算

東証1部に上場する国内株式全銘柄の株価の時価総額を指数化した株価指数。時価総額の大きな大型株の動きに左右されます。

◇ JPX日経インデックス400

東証(1部・2部・マザース・JASDAQ)の中から資本効率が高く業績の良い、企業統治や開示姿勢が良いと判断された400社を対象とする株価指数。#日本取引所グループ・日本経済新聞社が算出しています。

海外株式

◆ ダウ工業平均株30種(ダウ平均)米国株式

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が選んだ米国を代表する30社の株式価格を平均した株価指数。

◆ S&P500 米国株式

主要上場市場が米国の取引所の米国企業で流動性のある大型株からS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が選んだ500社の時価総額を指数化した株価指数。

◆ MSCI-コクサイ インデックス ※日本株式を保有している人向け

MSCI〔モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル〕が発表する日本を除いた先進国22カ国の株式市場の動向を示す株価指数。構成国は市場規模に準じており、米国の比率60%以上と高く、次にイギリス、カナダ、フランス、ドイツ、スイス、オーストラリアの6カ国で残り30%を占めています。 ※MSCI-ワールド インデックスは日本を含む

◆ MSCI-エマージング マーケット インデックス

MSCIが発表する新興国24カ国の大型・中型株で構成された株価指数
上位5カ国(中国、韓国、台湾、インド、ブラジル)で70%以上を占め、特に中国の構成比率が大きくなっています。世界の株式市場の時価総額の約10%に相当しており、カントリーリスクは高くなりますが、大きな成長も見込まれ無視できない投資先です。 ※MSCI-ワールドインデックスとMSCI-エマージングマーケットインデックスを合わせたMSCI-ACWI(オールカントリー ワールド インデックス)もあります。

株取引海外債券

◆ シティ世界国債インデックス

シティグループ・グローバル・マーケッツ・インクが開発した、世界の主要23カ国の国債の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均し指数化した債券指数。世界で最も利用されているベンチマークと言われています。
中でもシティ世界国債インデックス(除く日本)は、日本を除く世界の主要国の国債市場を対象としており、日本国内向けで、日本の機関投資家や年金基金なども採用しています。

3 株式投資信託インデックスファンドの活用

◉ インデックスファンドとは…?

収入指数と同様の銘柄構成をとり、機械的に運用実績が連動するように設計された投資信託です。一つの銘柄に投資をするのではなく、指数に含まれるすべての銘柄を買って持つのと同じ効果があります。
日本株式の場合は、TOPIXなどの指数と連動するように設計されています。海外株式や、業種・テーマごとの指数に連動する商品もあります。販売手数料は0~3%程度と取扱機関により異なります。

♥ メリット

指数全体の動きなので、個別銘柄を調査・判断する必要がありません。少額で分散投資ができます。アクティブファンドと比べ、保有にかかる信託報酬が安くなっています。

♠ デメリット

元本・分配金は保証されていません。価格変動リスクがあり、市場が下がれば価額も下落します。金融機関ごとに取扱商品が異なります。

◉ ETF[Exchange Trade Funds]とは…?

株式と同様、証券会社で、市場の取引時間内ならいつでも証券取引所に上場した投資信託[上場投資信託]です。売買ができ、指値注文も可能です。売買手数料は株式と同様で、信託報酬はインデックスファンドより安くなっています。

どう判断する? 投資信託

投資判断⒈ 投資スタイルを決める

□ どの資産に投資したいか
□ リスクをどれだけとるか
□ インデックスファンドvsアクティブファンド
□ バランス型vs各資産ごと複数の商品

⒉ 商品内容をチェックする

□ 手数料:販売手数料、信託報酬
□ 純資産額:適正か、資金が流出していないか
□ 評価会社の格付け:モーニングスター社など
□ 類似商品との比較:シャープレシオ・標準偏差
□ 指数との比較:日経平均やMSCI-コクサイなど

用語解説

ベンチマーク:その投資信託が運用の目安としている指数。

アクティブファンド:投資信託のうちファンドマネージャー(運用担当者)が、株式・債券などの銘柄及び投資割合を決定する投資信託を指す。ベンチマークを設定し、そのベンチマーク以上の運用成績を目指す。

シャープレシオ:リスクに見合ったリターンを得ているかを表わす指標で、数値が高ければより低いリスクで高いリターンを得ていることを表す。

投資標準偏差:収益率のブレ幅を統計学的に数値化したもの。数値が低いとリスクが低く、数値が高いとリスクが高いことを表す。例:収益率年7%標準偏差10%の場合、17%~▲3%の間でブレる可能性があることを表す。リターンが同じなら標準偏差が低いものを選ぶとリスクを抑えられる。

まとめ

株を買いたいけど1つに絞り込めない、複数の個別銘柄を買うには資金の余裕がない場合などに、上記の指数に連動する商品を利用するとよいでしょう。この他、金や不動産、医薬品など各業種別、ベトナムなど特定の国や地域別、フィンテックなどテーマ別など、さまざまな指数があります。興味のある分野への投資も、指数を参考に選択するとよいですね。

 

 

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