つみたてNISA(少額投資非課税制度)

クローバー通信 No.147

NISA2018年1月より「つみたてNISA」が始まります。
制度の内容や現行のNISA口座との違いなど取り上げていきます。

1 つみたてNISAが導入された背景

金融庁2017年6月「つみたてNISAについて」より

◆ 日本の家計金融資産とNISA口座の現状

お金日本では家計金融資産(約1700兆円)の約52%(約900兆円)が現預金で、米英に比べ株式・投資信託の割合が低く、家計金融資産の伸び(運用による増加)は低い水準です。

約900兆円の現預金が投資に移行していけば、中長期的に安定的なリターンの実現を通じて家計の金融資産が増加し、国内市場へ資金が流入し株式市場・為替市場の安定が期待できるとともに、健全な成長資金の供給になると考えられています。

現実には、金融資産ゼロ世帯が30.9%、NISA制度の利用者の中心は60-70代が中心で20-40代の資産形成層に活用されていないのが現状です。またNISA口座を開設したものの一度も買付を行っていない口座が全体の50%以上で、積立による利用は総口座数の1割以下となっています。

◆ 積立による資産形成の促進 つみたてNISAの誕生

従来のように短期売買で手数料を稼ぐ金融機関本位の投資スタイルではなく、長期投資に適した商品への積立投資を通じて長期で保有する事の有効性が認識できるよう、「投資家」に有利な制度・商品設定として、つみたてNISAが誕生しました。

2 つみたてNISAの特徴

お金① 制度開始は2018年1月より
② 非課税保有期間は20年間
投資可能期間は2018年~2037年
(2037年度分は2056年まで非課税)
③ 非課税投資枠(年間投資上限)は40万円
④ 買付は定期的に継続した物(積立であること)
⑤ 対象商品は一定の条件を満たす投資信託など

対象にならない資産< 現行NISAとの共通事項 >

日本在住で20歳以上、損益通算できない など

3 つみたてNISAの対象商品

① 指定されたインデックス(指標)投資信託
ノーロード(販売手数料ゼロ)
② マーケットから継続的に選択・支持されている投資信託
ノーロード、50億以上、設定後5年以上経過、資金流入期間が2/3以上
③ 指定されたインデックス(指標)に連動するETF(上場投資信託)
毎月の最低取引単位が1,000円以下、販売手数料1.25%以下

< 共通要件 >

1. 信託期間が無期限または20年以上である
2. 分配頻度が毎月でない
3. デリバティブ取引による運用を行っていない(ヘッジ目的の場合を除く)
4. 信託報酬が一定割合以下である(各対象商品ごとに設定)
以上の要件を満たす投資信託・ETFの中から金融機関がそれぞれ取扱商品を設定します。詳細は各金融機関にお問い合わせください。

4 つみたてNISA vs 現行NISA

どちらか1つを選択します。併用する事はできません。
現行NISA口座で保有している商品は年度ごとに管理され、5年間(売却するまで)非課税の取扱いになります。つみたてNISA口座へ移行する事はできません。

〔選択のポイント〕

年齢と投資経験にもよりますが、コツコツタイプはつみたてNISAを、個別株式や外貨取引など自分で銘柄やタイミングを選ぶ場合は現行NISAを選ぶと良いでしょう。

5 つみたてNISA vs iDeCo(個人型確定拠出年金)

どちらも分散・長期運用による資産形成という観点では同じです。つみたてNISAが好きな時に引き出せるのに対し、iDeCoは60歳まで引き出しができません。

〔選択のポイント〕

併用する事や途中で金額の変更をする事も可能です。目的や家計の状況に合わせて、iDeCoでは本来の年金の役割を、つみたてNISAは大学進学費用や余裕資金などに利用するとよいでしょう。

現行NISA継続の場合はマイナンバー提出が必要

2018年以降もNISAで取引をする場合は、NISA口座の再設定をする必要があります。既存口座に関して2017年9月中に「マイナンバーの提出」がない場合は、改めて口座利用の手続きが必要となり、①マイナンバーの提出に加え②非課税適用確認書の交付申請書の提出が必要です。手続しなければ口座利用も停止されますので注意しましょう!

まとめ

来年1月からの導入に向け10月より金融機関などで具体的なご案内や手続きが始まる予定です。

つみたてNISAは長期にわたる資産形成の手法として有効です。対象商品も投資初心者でも選びやすく不利益にならないように設定されているので、iDeCoや企業型の確定拠出年金や法人での長期積立などの場合も、商品選びの参考にするとよいでしょう。

資産運用を考えるなら非課税制度を利用しない手はありません。現行NISAやiDeCoなどと上手に使い分けて利用しましょう。

 

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