家計管理 カードローンの仕組みを理解しよう
クローバー通信 No.143
テレビをつけると「すぐ契約できます・その場で借りられます」というカードローンのコマーシャルが目につきませんか？
便利そうだけど本当に借りて大丈夫なのか、不安に思う人も多いのでは？
今回はカードローンの仕組みを見ていきましょう。
はじめに
先日某メガバンクから「銀行のATMでカードローンがすぐに契約・その場で利用いただけます」というダイレクトメールが届きました。顧客全員向けではなく、キャンペーンの間のみの対応という事ですが、ここまで直接的な案内は今までなかったので少しびっくりしました。
今銀行はカードローンに力を入れています。しっかりと仕組みを理解しましょう。
1 カードローンとは
個人向けの無担保ローン
指定のATMなどからカードを使い、無担保でお金を借りる事ができる
♥ メリット
① 融資枠内であれば、何度でも借入・返済が可能
② 保証人や担保が不要
③ 利用目的を問わない
④ 利便性が高い
⑤ 審査が早い
♠ デメリット
① 金利が高い
② 借入が習慣化してしまう
③ 返済期間が長期化しやすい
④ 審査を受けると、信用機関に履歴が残る（住宅ローンやクレジットカードの審査に影響）
カードローンを利用する理由の第1位は生活費の補てん、2位が交際費・付き合いだそう。カードローンやキャッシングの利用者は全国で約1,200万人、10人に1人が利用していると言われています。
（JCFA日本消費者金融協会 消費者金融白書より）
2 申し込む際の注意点
① 上限金利をチェックしよう
（例）実質年利 1.8％～14.6％
↑このような表記になっていますが、最低金利で借りられるケースは少なく、個人の借入額・実績などにより金利がきまるので、上限金利を想定しておきましょう。
② 月々の返済額は大丈夫？
月々の返済金額が低すぎる場合は注意が必要!
返済額が少ない方が良く思いがちですが、返済額が低いほど返済期間は長引き、利息が増えてしまいます。（参照：左㌻利息の計算）
③ 信用機関の履歴
審査を受けるだけで記録は残ります（6カ月）。受かれば契約・返済に関する情報や延滞などの履歴が登録され、延滞などがある場合は住宅ローンなどの今後の借入の際に審査に通りにくくなる可能性があります。一般的には延滞解消や解約から5年ほどで情報は消える事になっています。
◆ 他社でも借り入れを行っている
◆ お金にルーズ
◆ 返済計画や返済日の把握が苦手
このような方はカードローンを利用しない方がいいでしょう。
3 返済方法を理解しよう
① リボルディング払い
※多くのカードローンの返済方式
利用残高に応じた一定の金額を返済していく方式
（例）
② 随時払い
契約期間内の好きな時に返済する方式
利息は毎日の残高に基づき計算、年2回口座より引落し
◇ 利息の計算 ◇
借入金額（残高）× 実質年利 ÷ 365 × 日数 ＝ 利息額
（例1）借入額 10万円、金利 14％、30日後に一括返済
10万円 × 14％ ÷ 365日 × 30日 ＝ 1,150円
（例2）借入額 10万円、金利 14％、1万円ずつ返済 4月1日借入
◆ 月々の返済額が低いほど返済期間は長引き利息が増えてしまうので、余裕がある時に返済してしまいましょう。利息は日々の借入残高に対して計算されるので、早く返済すればその分の利息がかかりません。
4 カードの種類と選択
銀行系 vs 消費者金融
銀行のカードローンは、比較的低金利で「安全・安心」というイメージから利用が伸びています。審査は消費者金融に比べて厳しくなっています。
消費者金融は融資までのスピードが早いものの、金利が高めな事が特徴です。
銀行のカードローン・ビジネスが盛んな理由
消費者金融業者の厳しい取り立て高い金利が社会問題となり、2006年に貸金業法が改正され総額で借り手の年収の3分の1を貸出限度の上限とする「総量規制」が設けられました。しかし銀行系のカードローンは総量規制の対象外となったため、消費者金融は影をひそめ現在銀行系の残高が上回っています。
カードローン・ビジネスはこの低金利の時代に高金利が見込める為、実質的には銀行が消費者金融を傘下におさめ、顧客獲得窓口となっているのです。ただし貸金業法の規制がない事は、借り手・消費者保護の観点からマイナスであることを覚えておきましょう。
❖ クレジットカードのキャッシングとの違いは？
ほとんどのクレジットカードでは、100万円までのキャッシング利用では18％（法律の上限金利）に固定されています。以前は期限一括返済が主流でしたが、今では違いはほとんどありません。
まとめ
TVでもカードローンのCMを見ない日はありません。
「銀行なら問題ない」ではなく、カードローンの仕組みを理解した上で、必要であれば上手に利用しましょう。
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