決算書と銀行融資

よほど優良な企業でない限り、資金繰りには頭を悩ますもの。売上は計上できても、回収が2カ月サイトから3カ月サイトの手形の決済となったら、運転資金は増加します。ここで銀行からの借入の必要が出てくる訳です。

しかし、銀行も一つの営利企業です。お金を貸して、返してもらわなければ損失となります。銀行はお金を貸して金利をもらわなければ、土地の賃借代などの経費が払えない、株主へ配当が支払えない。何のために銀行を営んでいるのかさっぱり分かりません。お金が返ってこない事態は最悪です。だから、銀行はこの企業にお金を貸してちゃんと戻ってくるのかを第一に検討するでしょう。金利をどれだけ稼げるかはその次です。

ではどのように、お金を返してくれるのか返してくれないのか銀行は見分けようとするのでしょうか。友達からお金貸してと言われた場合、よほどの気心の知れた仲でなければ返すあてのない、返済能力のない人にはお金を貸しませんよね。友達にお金を貸そうとする場合、人を見ます。同じように、銀行は企業からお金貸してと言われた場合、企業を見ます。それは当たり前のことです。しかし企業を見る場合、経営者を見て、財務担当者を見て、従業員を見て、工場の設備を見るだけで判断するのではありません。

銀行は、まず決算書を見て財務内容を点数化して企業の安全度をランク付けします。それが借り手の企業にとって不満の種となるのですが、銀行の本音はそんなものです。いくら銀行の体質に不満を持っても、お金を借りることができなければ意味がありません。まずは決算書です。

そのために、経営者は決算書の読み方を知らなければならないのです。そして銀行へは決算書の出し渋りをしないようにしましょう。銀行はお金を貸している企業には、決算後決算書の提出を依頼します。これは、お金を貸している企業であれば、それが例えば3年以前に貸した以後一度も貸していなくても、決算期到来の顧客リストに基づき決算書を求めます。銀行にとって困った企業は、銀行に貸し渋りがあるのと同様、決算書の出し渋りです。

銀行は決算書を見せない企業にはお金を貸しません。決算の内容が悪くても、見せてくれないより見せてくれた方が数倍良い印象を持つでしょう。銀行と企業との信頼関係の問題です。提出を求められる前に提出したいものです。

 


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