教育費について考える① 奨学金と教育ローン

200_14-15P_03ライフイベントの中で住宅購入についで大きな支出となる教育資金。晩婚・晩産が増え、住宅ローンの返済や親の介護と重なる場合も多くあります。だからこそ、子どもの進路や家計の状況について、家族で話し合う必要があるのではないでしょうか?

今回は、奨学金と教育ローンを取り上げます。

202_ママ友1 教育費の現状

教育関係費の負担は40歳代後半から50歳代前半で特に大きく、月5万円以上です。(総務省「家計調査年報(H24年)」調査より) 数年前と比べ、公立はやや負担減、私立は高校や大学の一部のコースを除き、 やや負担増となっています。

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日本学生支援機構や大学などの奨学金の利用は年々増加し大学生の5割から6割に達しています。 (日本学生支援機構「H24年度の学生生活調査結果」調査より) 奨学金や教育ローンを利用する場合には、目的を明確にした上で、検討しま しょう。

2 教育ローン202_学生

親が借り入れ・返済 希望額を一括借り入れできる。

〇「国の教育ローン」 日本政策金融公庫

202_赤ちゃん●金利2.05%(固定、保証料別。  H27年12月時点)上限350万円。
●借入期間は最長15年。
●中学卒業以上を対象とする教育  施設に適用。
●学費以外に、一人暮らしの生活準備  などにも充当できる。

〇民間教育ローン

●金利 固定・変動から選択。 (変動金利でも2%程度~)
●公的な教育ローンより資金使途の条件がゆるく、小中学校や塾・  習い事に適用できる商品もある。
●審査が早く、取引状況に応じた金利優遇キャンペーン等を行う金融機関もある。

〔注意するポイント〕

在学期間中は元金を据え置き利息のみ支払う事ができる商品もありますが、 返済期間が延長されるわけではありません。

3 奨学金制度202_お金

◆ 給付型奨学金 ◆

成績優秀者や経済困窮者などが対象。返済不要

大学や専門学校でも独自の制度を設けている所が増えてきています。 地方公共団体や民間で行う「財団奨学金」「基金」などは、給付型が多 いです。但し、給付先の大学を指定したり、1年ごとに更新というケースが 多く、ハードルは高いですが、トライする価値はあります。まず検討しましょう。

◆ 貸与型奨学金 ◆ 日本学生支援機構:http://www:jasso.go.jp/

202_勉強学生本人が借り入れ・返済

日本学生支援機構(JASSO)が代表的です。
高校・大学・専門学校に在学する生徒が対象となります。
奨学金の募集・申込みは学校を通じて行います。
また、進学前に奨学金の予約をする制度もあります。

〇 第1種奨学金:〔利息なし〕

成績や家庭収入の条件あり。
学校の種類の応じ、毎月4万5千円~6万4千円貸与。

202_奨学金〇 第2種奨学金:〔利息あり〕

在学中は無利息。卒業後完済まで利息がつく。
利率は固定0.53%、利率見直し0.10%(H27年10月時点)
上限3%。成績や家庭収入などの条件あり。
貸与額は毎月3・5・8・10・12万円から選択。

奨学金という名前ですが、実質はローンです。返済が難しい場合は、延滞する前に、 「減額返還制度」「返還期限の猶予」などの申請ができるか確認しましょう。 

奨学金の返済シミュレーション

第2種奨学金 貸与額5万円の場合
貸与合計240万円
固定金利 上限3% 元利均等返済 保証制度利用なし

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【奨学金制度の実情】

貸与型の場合、学生本人が卒業後に返済する必要があ りますが、収入不足から返済を滞納する人が増えてい ます。延滞割合は約21%で、収入減や失業をきっか けに延滞が始まるケースが多いようです。また延滞者 の約50%は契約前に内容をよく把握していなかったと いうデータがあります。
(日本学生支援機構「H25年度奨学金の延滞者に関する属性調査」より)

4 奨学金の返済がライフプランに与える影響

奨学金の制度が定着し、気軽に申し込みをするケースも多く見受けられます。 上図のように40歳近くまで返済が続き、日々の生活の他、結婚・出産・住宅購入など将来に向けた準備もしなければならず奨学金の返済が負担となっているのが実情です。 結婚後夫婦で奨学金返済をする場合も想定され、学生本人が、卒業後の生活設計や人生設計に影響が出る事を、理解しておく事も重要です。

 まとめ

貸与型奨学金でも教育ローンでも、借りすぎて親子それぞれのライフプランに影響がないように、老後資金の準備や住宅ローンの返済など、各家庭のライフプラン・返済計画をたててから検討することをおすすめします。

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