『研究開発税制』
税額控除の対象となる「試験研究費」とは?
前月号で研究開発税制の概要について説明しましたが、今回は税額控除の対象となる費用についてお話します。
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研究開発は、基礎研究、応用研究を経た最終段階で、製品化を目指す研究であり、その費用が税額控除の対象となります。生産中の製品の製造や既存の技術の改良等のための研究開発であっても同様です。
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では、実際に税額控除の対象となる研究開発費がどのようなものかというと、製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に関わる試験研究のために要する費用で、次にあげるものです。
① 試験研究を行うために要する原材料費、人件費および経費
② 試験研究のために外部に支払う委託研究費
③ 技術研究組合に支払う課賦金
④ 試験研究のために使用する減価償却資産の減価償却費
ここで言う人件費の範囲とは、「専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者」に限られ、研究員の賃金給与、賞与、退職金、法定福利費、福利厚生費が含まれます。
また、研究開発用の減価償却資産を取得した場合は、一般の資産と同様に法定耐用年数に応じて減価償却し、その減価償却費を研究開発費として取り扱うことになります。
これらの費用が総額型として税額控除を受ける対象となります。
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さらに、そのうち国の試験研究機関・大学その他の者と共同して行う試験研究、国の試験研究機関・大学または中小企業者等に委託する試験研究、中小企業者等の有する知的財産権を活用して行う試験研究費については特別試験研究費とされ、オープン・イノベーション型として別途税額控除が受けられることになります。
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研究開発税制の適用の可否は科目名によって判断されるわけではないため、費用を発生時点から把握し、適用要件を満たしていることがわかる証憑資料づくりも重要となります。
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