預金封鎖の真実

2月 16 日

終戦翌年の昭和 21 年2月 16 日は戦 後日本で預金封鎖が実施され、新円切替が行われた日である。NHKはこの日にあわせて今年の2月16 日に 「預金封鎖の真実」というタイトルで預金封鎖・新円切替について特集報道した。

日本の財政問題については数年前に日本の財政状況は戦後の敗戦直後の財政状況を超えて悪くなってしまった、という記事を見て、終戦直後の預金封鎖、新円切替や、その後のインフレの状況を子供心に強烈な記憶がありそれを思い出した。

財政破綻に関する情報

私が日本の財政状況に関心を持ったのは前述の敗戦直後の財政状況を超えたという情報からである。その後2010年4月文芸春秋に「あと4年、財政と年金は同時に破綻する」という記事が出て社内勉強会を始めた。

次に2012年 11 月に財政破綻を テーマにした「もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら」という現実の衆議院議員の名前を冠した本が出版された。さらに2012年6月に公表された自由民主党の「X-DAYプロジェクト報告書」にヒントを得て作られた相棒シリーズの「X DAY」が上映、放映された。

当時民主党の政権下であり、民主党の政権運営に危機感を抱いた自民党が警告の意味を含めて公表したようである。民主党はこの警告を受けてかどうかはわからないが、自民党と手を組んで消費税増税法案を成立させ、昨年4月に実施されたことは記憶に新しい。

預金封鎖は財産税のため

放映された証言によると「戦時中に発行された国債は約束通り支払うけれども、国債に見合う金は国民から徴収する。そのためには、『一億戦死』という言葉がある。みな一遍死んだとおもえば、相続税をいっぺん位納めてもいいじゃないか」ということで最高税率 90 %にもなる財産税を課した。この財産税を課税するために金融資産把握の必要性から預金封鎖をした。このような趣旨のことが語られている。

このような言葉・思考をわれわれはどのように受け止めるかは人それぞれであろうが、あながち無視するわけにはいかないのである。

日本の現状をどう考えるか

政府の債務はGDPの245%にもなっており日本の財政は既に実質的に破綻しているといわれている。国債の暴落については週刊ダイヤモンドが一昨年 10 月に特集し、暴落の 引き金になるのは従来の①国債の格下げ、②国債の入札未達、③ヘッジファンドの日本売り、④自然災害に加えて、ⓐ金利の急低下、ⓑ異次元緩和の出口、ⓒゆうちょの上場、ⓓリスク基準の見直しをあげている。

「金利の急低下」については昨年 春マイナス金利が発生し、今年の1月には世界同時マイナス金利の時代に突入した。

「異次元緩和の出口」について は、昨年 10 月に奇襲緩和を実施して実質的に「財政ファイナンス」を行っているとみられている。消費税増税の延期と合わせ日本国債の格付けが引き下げられた。

「ゆうちょの上場」については、 日本郵政の上場に伴って大量に保有する国債を売却しなければならず、国債暴落の引き金になる危険があると考えられている。

さらにGPIFや生保や国家公務員年金など国債を中心に資金運用していた資産運用機関も国債の割合を減らし外貨資産へシフトしていくことが明らかになった。このような動きは、ゼロ金利、マイナス金利の現在では止むを得ない行動ではあるが、これから発行される国債の買い手がいなくなることを意味しており、実質的に日銀が買い支える以外にはない状態である。

これから何が起こるか

何が起こるかは述べる資格はないが、報道等をまとめてみると、6月に予定されているFRBの利上げについていけずに更なる円安と輸入インフレが進行すると予想されている。さらには来年の参議院選挙の時にはその翌年の消費税増税ができる環境になっているかどうかが争点になるかもしれない。

「預金封鎖」に代わる国民の財産 把握する手段も着々と準備が進んでいる。

①マイナンバー制が実施段階に入った。今年の税制改正で
②「財産債務の明細書」の提出内容の詳細化が図られる。
③「出国税」が課税される。
④「国外財産届出」が昨年から実施されている。

このように国民の財産把握の包囲網が急ピッチで進められているのである。

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三

 


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