第九十二「適正競争と過当競争」

ビジネスの 名著から読み解く 経営のエッセンス!
「松下幸之助の経営問答」全94問への滝田の挑戦!

第七章 販 売 ~商売に成功するために~

第九十二「適正競争と過当競争」

【私  見】

違法でないから適正とはいえない、責任の判断があるから。違法と責任は別と思う。違法と言えなくても責任を問われることはある。責任はその人・会社への人格的非難と考えるからである。過当競争は事業家の責任が社会から問われる形態と思う。

【本書質問】

業界の発展のためにある程度の競争が必要であろう。適正競争と過当競争の境界線は具体的にどこにあるとお考えでしょうか。

【翁要約】

難しい質問、的確な答えできん。過当競争は、商品の競争でなくて、資本の競争です。先日、資本金6億の会社の方と突然面会。

「競争で困っている、原価を割って売って、金につまる。ある大きな会社が、うちの原価を切るような値段でどんどん売っている。それについていった結果、大きな借金ができた。むこうも儲けてないし、うちより損してるかもわからん。意地になって競争します」これはもう完全に過当競争ですね。

過当競争は法律の力をもって止めるか、あるいは非常な罪悪感を認識せしめるか、なんとかしなければいかんですね。競争してもいいけど、正当な競争でなきゃいけない。おれのほうはこっちの商品で儲かっているから、こっちは少々損してもええわ、というような会社があれば、斬罪(ざんざい)に処していいと私は思うのです。

大会社が儲けを一部さいて、新しい業務へ来れば、その業界が比較的中小企業であれば倒れますわ。そういう意味の過当競争が起こったのでは許されない。私のほうはやらない。

資本の横暴というのは断固としてゆるさんという立場である。われわれがなんぼ研究してやったかて、新規にやれば高うつきますよ。電気器具はそういう一面が一部ある。高いかもしれませんけど、お買いくださいませ。社会のためでございます。

【判  定】

社会・業界等のためのバランスを考え、力があるほど社会的責任を認知しよう。

 


なぜ安くしても売れないのか
一人二極化消費の真実 〜 抜粋・要約 〜

マイケル・J・シルバースタイン/ジョン・ブットマン:著

あらゆる市場で進む両極化

米国の個人市場では、ワンランク上の消費市場も過去3年拡大し、ワンランク下の消費市場はさらに大きく拡大している。消費者向け商品・サービスにほぼ全てのカテゴリーが二極化の過程にある。プレミアム品が伸び、格安ブランドがシェアを奪い、その中間が縮小している。そんな中の台頭・成功例が、ドイツのアルディ・中規模店、イーベイ・宝探しの場、ドイツのチボー・毎週テーマ別新体験があげられる。消費二極化で成功する方法は4つ、

1 ワンランク下で勝負する。基本商品、低下価格、信頼が大事だ。
2 ワンランク上で勝負する。際立った製品を生み出す。
3 両極を制覇する。トヨタをあげる。
4 中間を死守する。コストを下げ品質を上げる。得意客に焦点を合わせるなど。

中途半端がだめです。成功者は基本商品を低価格で提供するか、高価格でも買われる真に違いをもつ商品を開発しなければ自社に未来がないという事実を受け入れている。完全に成功させる忍耐力・スタミナ・持久力・豊かな想像力と意欲・専門知識が必要だ。中間から抜け出そうとする企業の大多数は、何らかの罠にはまってしまう。戦略を本気で取り組もうとしていない。

☆継続発展する仕組みを作り続けるのは至難である。成功企業例は個性的で企業努力がすごいと思う。


ブログ 遊楽笑書

Q. 過当競争ってなに?

1. 違法っぽく有責性あり
2. 社会的相当性を超える
3. 窮鼠 猫を噛みそう
4. 損しても勝ての戦術
5. 資本の競争、資本の横暴

適正競争ってなに?

◎ 適正利潤を確保する行為
◎ 責任も問われない行為
◎ 経済的合理性の範疇の行為
◎ 社会人の受忍限度内の行為
◎ 商品の競争

社会性の認識の問題で企業家の倫理 にかかわる。また、消費者の教育に もかかわる。

 

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税理士法人LRパートナーズ 代表社員 滝田 司

 


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