御嶽山噴火

予測できない自然災害

御嶽山が9月 27 日午前11 時 52 分突然噴火し過去最大の火山災害が起き た。鮮やかな紅葉や真青に澄み切った青空が広がって昼食を取ろうとしていた矢先の噴火であった。噴火についての何の事前の兆候や警告もなかったという。

「3・ 11 東日本大地震」 も何の予兆もなく突然襲ってきた。東京直下型地震や東海地震について周期説に基づいていろいろな対策が検討されている中、その発生も全く予想もされなかった東日本の地域に、しかも、想定外の地震と、これも想定外の原子力発電所を廃炉に追い詰める原子力事故を誘発してしまった。自然災害についてはその準備や対処法が「予兆を感 じたらとにかく避難せよ」「災害を想定し、避難通路を確保せよ」など 多くの対処法が報じられている。

台風のように予報技術が発達して被害が予想さ れるにも拘わらず、広島で予想を超える降雨量によって想定外の大雨土砂災害が発生したばかりで ある。

増税を必死に訴える 日銀総裁

日本には自然災害のほかに、ひそかに囁かれている「国債暴落」という自然災害とは比較にならない経済災害について多くの識者が警鐘を鳴らしている。

ギリシャが財政破綻を起こした際には、日本はギリシャ以上に財政状況が悪く、ジンバブエに次 ぐ財政状況だということも明らかになっている。黒田日銀総裁が就任にして異次元の金融緩和政策をとってから黒田総裁の消費税に関する発言を読んでいると日本の財政状況の緊迫性がヒシヒシと伝わってくるのである。

財政再建はアベノミク スの本命である。その前段階としてデフレ脱却を合言葉に異次元の金融緩和、機動的な財政出動と称してインフレ政策をとっている。その意味で財政再建の柱である増税 を先延ばしすることには耐えられないのであろう。

X―DAYは突然来るか

FRBの元議長グリー ンスパン氏は「バブルは崩壊してみないとバブルかどうかわからない」と いった。起きて初めて「X ―DAY」だとわかる。

しかし、そこに至るまで多くの過程があることは、ジョン・F・ガルブ レイス氏の「バブルの物語」に詳細に紹介されている。日本で囁かれている「国債暴落」は何度も何度も警告されてきた。

最初は1997年の 「財政構造改革法」だっ たが、証券不況で実質廃案になってしまった。その後民主党政権時代政権運営の危うさから自由民主党では「X―DAYプ ロジェクト」を立ち上げ、 ホームページに「X―DAYプロジェクト報告書」として概要を公開し ている。

備えは自分で・誰も 助けてはくれない

世界の識者は日本の「X―DAY」を「来るか来ないかではなく、いつ来るか」だとはっきり 言っている。昨年 11 月週刊誌が「国債暴落」の特集を組み、何が国債暴落の引き金になるかを新しい視点から

①金利急低下(と反動による急騰)
② 日本銀行の出口戦略
③ゆ うちょ銀行上場
④リスク 基準見直し

の四つをあげていた。一つ一つの検証は 省くが①についてはユーロで始まったマイナス金利が日本にも飛び火して短期国債についてマイナス金利が定着した感がある。金利についてもう一つ付け加えればアメリカがQE3(量的緩和策)をやめ来年から利上げに入ることが確実になり9月大幅な円安が進んだ。

アメリカで利上げが始まれば日本に対しても利上げ圧力が働き国債価格の暴落を招きかねない。日本銀行の出口戦略は日本銀行が一手に引き受け ていくことしか想定でき ない状態である。「X― DAY」は突然来るのではなく幻想をも含めて多くの兆候を携えてやって くる。2014年は「X ―DAY」への分岐点を渡った年に思える。

自然災害対策は国を上げて支援してくれるが、経済災害については誰も守ってくれない。備えは自分でするしかないので ある。

税理士法人LRパートナーズ 代表社員 小川 湧三

 


神奈川県川崎市で税理士をお探しなら

LR小川会計グループ

経営者のパートナーとして中小企業の皆さまをサポートします


お問い合わせ


 

前の記事

笑顔